"離婚したら140万円の請求が来た" 第2話
けれどそのは、お腹のにもう1いるとったからか、どうしてもする気になれなかった。
「私のおで買ったものです」
卓の音が止まった。
最初に反応したのは彩子さんだった。
「みんな聞いた? このにんで、こののものをべてるのに、自分のおですって」
義母も箸を置いた。
「嫁に来たら、何でも自分、自分じゃだめよ。夫婦は同体なんだから、こののために尽くすのが普通でしょう」
私は勇気を見た。
たった言でよかった。
私が彼のを浪費していないこと。
結婚してからくのの支を、私の貯から負担してきたこと。
彩子さんが健太を連れてきては、塾代や保険料まで私に頼っていたこと。
そのどれか1つでも、彼が言ってくれればよかった。
けれど勇気は、らないを見るような目で私を見た。
そして、あまりにも軽い声で言った。
「そんなことを言い続けるなら、婚しよう」
私は瞬、聞き違えたのかとった。
隣では健太が、誰も見ていない隙に唐揚げをへ入れていた。
彩子さんの元が、ほんの瞬だけがった。
義母は何も言わず、またピーナッツの殻をむき始めた。
私は10し、7緒に暮らした男を見つめた。
学代、のに傘を1本渡すためだけに、朝から私を待っていてくれただった。
両親が結婚に反対したも、私は彼について京へ来た。
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故郷の定した仕事を辞め、両親の配を振り切って、それでもこのとなら幸せになれると信じた。
結婚当初の勇気は優しかった。
週末にはへ連れてってくれ、記にはさな贈り物を用し、福岡の実へ帰るには両いっぱいの産を買ってくれた。
変わり始めたのは、彩子さんが婚して健太を連れ、このへ頻繁に入りするようになってからだった。
彼女は倫が夫にられ、をることになった。
それから義母と弟に頼る活が始まり、数かだったはずの依が数に延びた。
私がのない嫁だ。
実ばかり切にしている。
義母をとして扱っていない。
を湯のように使う。
彩子さんはしずつ、何度も同じ話を勇気へ吹き込んだ。
そして勇気は、いつのにかそれを事実だとうようになった。
私は箸を置いた。
自分でも驚くほど、声は落ち着いていた。
「ええ。婚しましょう」
勇気の目がわずかにいた。
彩子さんまで顔をげた。
誰も、私がすぐ承諾するとはっていなかったのだろう。
私はスマートフォンを取りし、今届いた荷物の注文履歴をいた。
「それから、よく見てください」
画面を勇気のに置いた。
「買ったのは妊婦用の栄養剤とマタニティウェア、それに妊娠についての本です」
勇気の顔から表が消えた。
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私は静かに続けた。
「私、妊娠しました。2かです」
「嘘でしょう?」
最初に声をげたのは、やはり彩子さんだった。
子を引いてちがり、疑うように私のお腹を見た。
「勇気に婚するって言われた途端、妊娠だなんて。引き止めたいだけじゃないの?」
「姉さん」
勇気がい声をした。
けれど私には、それさえ遅すぎた。
義母がゆっくりをいた。
「本当に妊娠しているなら、それは良いことよ。でも、それを理由に勇気へ圧力をかけるようなことはしないでね」
私はわず乾いた笑いを漏らした。
このにいる誰も、「体は丈夫なの」「病院へったの」「赤ちゃんは順調なの」とは聞かなかった。
7待ち続けた子供だった。
それなのに彼らにとって妊娠は、ぶべきらせではなく、夫婦喧嘩で使う材料の1つにしか見えなかった。
私はスマートフォンをポケットへしまった。
「誰にもプレッシャーなんてかけません」
1文字ずつ確かめるように言った。
「勇気さんが婚を望んだ。私は同しました。この子は私が産んで、私が育てます」
勇気が眉を寄せた。
「どういうことだよ。婚するのに、なぜ産むんだ」
「言ったでしょう。私が育てるって」
部にい沈黙が落ちた。
やがて彩子さんが甲く笑った。
「いいじゃない。そこまで偉そうに言うなら、実へ帰って1で育てれば? あとで泣きながら戻ってきて座するなんてやめてよね」
私はもう言い返さなかった。