"夫の実家は空き家だった" 第7話
と流してしまえば、むしろ夫婦として切なものまで壊してしまう気がした。
リビングへ戻ると、義母がちがった。
「若菜さん、本当に申し訳ありません」
くをげる。
私はすぐ首を振った。
「お義母さんとお義父さんのせいじゃありません」
「でも、私たちがもっと裕介の変化に気づいていれば」
「それでも、嘘をついたのは裕介です」
義父がゆっくり頷いた。
「その通りです」
私はに初めて、本当ので好を持った。
息子を庇わない。
かといって見捨てもしない。
ただ、本の責任として向きわせようとしている。
裕介は玄関まで追ってきた。
「いつ戻ってくる?」
「分からない」
「連絡していい?」
「しをちょうだい」
私はマンションをた。
はえ込んでいた。
歩きながらへ話をすると、事を全部聞くから「来な」と言ってくれた。
彼女のマンションへ着き、簡単に説すると、はソファーへく座った。
「なるほど。旦、トラウマこじらせ系だったのか」
「軽いなあ」
「く言ったら若菜がもっと落ち込むじゃん」
そう言いながら、彼女は温かいカップスープを私のへ置いた。
「でもさ。に言ったじゃん。自分守ってるじがするって」
「当たってた」
「脚本なめんな」
はし得げに言った。
それから表を変えた。
「嘘をついたのは駄目だよ。そこは完全に旦が悪い」
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「うん」
「でも、昔のことを聞いたら、私は単純に最男ともえない」
「私も」
そこが番苦しかった。
見栄だけで嘘をついたのなら、れた。
浮気を隠していたのなら、婚を決められたかもしれない。
けれど裕介は、昔傷つけられた自分を隠したかった。
はカップを両で包んだ。
「男が嘘つくって、見栄か恐怖がいじゃん。裕介さんの、両方だったんだろうね」
「怖かったからって、両親まで偽物にする?」
「そこまで追い込まれてたってことじゃない?」
私は黙った。
は続けた。
「若菜を失うのが怖かったんだとうよ。頑張って痩せて、体鍛えて、仕事して、自分なりに完璧になった。その先で若菜と付きえたから、今度は失うのが怖くなった」
「私、昔太ってたくらいで嫌いにならないのに」
「でもそれは若菜の理屈だからね」
の言葉はたく聞こえたが、正しかった。
「傷ついてる本のでは、何もの教が今も続いてることあるよ」
私はスープをんだ。
「じゃあ許すべき?」
「それは別」
は即答した。
「理解することと、許すことは違う。許すかどうかは若菜が決めればいい」
その言葉に救われた。
私はしばらくの部で暮らすことにした。
会社では裕介と会わないようにした。
同じ会社でもフロアが違うので、それほど難しくはなかった。
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と夕を作り、彼女が担当した夜ドラマを緒に見た。
笑うもあった。
眠れない夜もあった。
そして週ほど経った曜。
スマートフォンに裕介からLINEが届いた。
《しだけ会って話せないかな》
私は画面をしばらく見つめた。
迷った末に。
《の午なら》
と返した。
駅のカフェへくと、裕介はすでに窓際の席に座っていた。
週しか経っていないのに、し痩せたように見えた。私を見つけるとちがりかけたが、どうしていいか分からないように再び座った。
「来てくれてありがとう」
「うん」
私は向かいに座った。
すぐに答えをすつもりはなかった。
裕介も無理に謝罪を繰り返さなかった。
代わりに、子の横に置いていた袋から冊の古いアルバムを取りした。
角が擦れている。
昔の庭用アルバムだった。
「これ」
裕介が私のへ置いた。
「俺の学の頃」
私はすぐけなかった。
裕介は緊張していた。
の男性が、冊のアルバムを見せるだけでを震わせている。
「笑わないでくれよ」
その言葉を聞いた瞬、胸が痛くなった。
私はゆっくり最初のページをいた。
運会。
。
誕。
浴。
そこには、今よりずっとふっくらしたがいた。
丸い頬。
きな体。
そのに、同じようにふくよかな両親がいる。
とも笑っていた。
特に枚の写真が目に留まった。
学学くらいの裕介が、義父の肩に乗っている。隣では義母が笑いながらへを伸ばしていた。