"夫の実家は空き家だった" 第3話
翌、裕介はしいネクタイを3本買って帰ってきた。
私は笑うに笑えなかった。
別のには、私の学代のアルバムをで見た。
「若菜って、子どもの頃からいっていうより美だったんだね」
「それ、げがなかったって?」
冗談半分で睨むと、裕介は驚くほど慌てた。
「違うよ。そんなじゃない。本当に違うから」
「冗談だって」
私が笑っても、しばらく表はいままだった。
アルバムを閉じる頃、私は何気なく言った。
「今度、裕介のも見たいな」
「俺の?」
急に声が変わった。
「子どもの頃の写真とかないの?」
「写真、あんまり好きじゃなかったから」
「卒業アルバムは?」
「実にあるとう。でも古いし、別に面くないよ」
裕介はちがり、逃げるようにキッチンへ向かった。
そのろ姿を見ながら、私は初めて奇妙だとった。
結婚して半。
私は夫の子どもの頃の写真を枚も見たことがない。
両親の写真すらない。
スマートフォンにも、リビングの棚にも、族のいらしきものが何つなかった。
それでもがければ、にいたご両親も帰国する予定だと聞いていた。
実際、12に入った頃、裕介が嬉しそうに言った。
「両親、帰ってきたみたいだよ」
「本当?」
「ドバイの仕事が段落したって」
数、裕介が予約してくれたで、私は初めて義両親と会った。
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現れたのは、品なスーツ姿の男性と、淡いの着物を着た落ち着いた女性だった。
「初めまして。裕介の父です」
「妻です。息子がお世話になっています」
ともし控えめだったけれど、じのいいたちだった。
「本当に素敵なお嫁さんね」
義母だという女性からそう言われ、私は照れながらをげた。
こんな優しいご両親ならだ。
私はからそうった。
そのしには、裕介の実も見せてもらっていた。
総方面へドライブした帰り、裕介が突然「実、この辺なんだ」と言ったのだ。
案内されたのは、浦の静かな宅にあるきなの軒だった。
い塀。
アイアンの扉。
広い庭。
期が暮らしていないせいかし荒れていたが、それでも派なだった。
「親父、エネルギー関係の会社でさ。く勤務なんだ。今は母さんとドバイにんでる」
「そんな仕事だったんだ」
「に1回帰れたらいい方だった」
私はその話を信じた。
豪華なを見てし驚きはしたものの、裕介が自分から族のことを話してくれたことの方が嬉しかった。
ようやく夫の過に触れられた。
そんな気がした。
末になると、私は当然のように考えていた。
正には裕介の実へき、改めて挨拶をしよう。
せっかくなのでし奮発して、級な蟹も取り寄せた。
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裕介の両親が帰国しているなら、でべてもいいとっていた。
ところが、晦の夜。
テレビを見ている私のところへ裕介が来て、申し訳なさそうな顔をした。
「若菜、ごめん。、仕事になった」
「元なのに?」
「システム切り替えでトラブルがたみたいなんだ。俺がかないとまずい」
システム管理の仕事なら、そういうこともあるのだろう。
「じゃあ実は?」
「また今度にしよう。両親も帰国したばかりでの片づけとかあるみたいだし」
私はし残だった。
「せっかくお賀も用したのに」
裕介は瞬困った顔をした。
「そうだよな。じゃあ落ち着いたら必ず緒にこう」
翌朝、私は裕介を玄関で見送った。
「気をつけてね」
「うん。夕方には帰れるとう」
扉が閉まる。
急に予定がなくなった私は、しばらくリビングでぼんやりしていた。
元はも静かだった。
テレビではお笑い番組が流れている。
その横には、包装したお賀が置かれていた。
せっかく度会っているのだから、お賀だけ置いて帰るくらいなら失礼にはならないのではないか。
そうった。
裕介の実の所は覚えている。
以緒にった、スマートフォンの図にも表示されていた。
私は昼に支度をし、お賀を抱えてへ乗った。
京の端にある自宅から浦までは、それほどくない。
宅へ入り、以見たい塀が見えた瞬、私はし嬉しくなった。
ところが。
のへった、妙な違を覚えた。