"祖母の1000万円超を1220円にした兄嫁の末路" 第3話
私にとっても、そして兄である浩司にとっても、この祖母というは、幼い頃からを惜しみなく注ぎ込んで育ててくれた、かけがえのない恩であるはずだった。
いのの祖母はいつも温かく、私たちのわがままを優しく包み込んでくれていた。
それなのに、実の血を分けた族であるはずのたちが、なぜこれほどまでに酷に、祖母というをまるで邪魔な荷物のようにないがしろにできるのか。
私には、その狂った理がどうしても理解できなかったし、りで全が震えるいだった。
お呂からがった祖母に、しく用した清潔な浴を着せ、ふかふかのシーツをしく敷いたゲスト用の布団へとゆっくりと横たえさせた。
祖母は、自分のための全な居所が確保されたことをの底から実したのだろう。
まるで幼子のようにしきった穏やかな寝息をてながら、い眠りへと落ちていった。
そのらかな寝顔を見つめながら、私は自分の胸の奥底で、兄夫婦に対するドス黒いりと反撃の炎がメラメラと燃え盛るのをじていた。
もうこれ以、あのたちの横暴を黙って見過ごすわけにはいかない。
私の傍らに静かにち、同じように祖母の寝顔を見つめていた幸の顔を見げると、彼もまた言葉にしなくても私の固い決をしっかりと受け止めてくれているのが分かった。
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翌の朝、太陽が昇りきった頃、予通りというか、やはりというか、実からの連絡がスマホの着信音として鳴り響いた。
画面に表示されていたのは、でもない実の兄、浩司の名だった。
私はしの揺も見せないように呼吸をしてから、話にた。
話の向こうの浩司は、普段の尊な態度が嘘のように、ひどく焦りきった様子だった。
「おい、かよ! おばあちゃんが昨の夜から急にいなくなっちまったんだ! そっちに姿を見せてないだろうな!?」
浩司の切羽詰まった声が、受話器越しにガンガンと響いてきた。
私はややかな目を窓のに向けながら、淡々と言い放った。
「昨晩、おばあちゃんが私のに逃げてきたわよ」
私のその言を聞いた瞬、浩司はさらに声を裏返して狼狽した。
「なっ……! なんだと……! すぐにうちへ連れ戻せ!」
兄は慌てふためき、祖母をすぐに実に連れ戻すようにと命令調でまくしてた。
しかし、私はきっぱりと首を横に振った。
「嫌よ。当分の、おばあちゃんは私がこのでしっかりと預かるから」
私がそうたく言い放つと、浩司はますますパニックに陥ったように「だめだ! そんなの絶対に許さない!」と鳴り声をげた。
「どうしてだめなのよ? おばあちゃんがここにいたいって言ってるんだから、いいでしょう?」
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私の問いかけに対し、話の向こうの浩司はしどろもどろになり、まともな理由を返すことができなかった。
朝の静寂をついて、話の向こうの浩司の背から、聞き覚えのある鋭くたい女性の声が割り込んできた。
「だめよっ! 絶対に返してもらっては困るのよ!」
それは、兄嫁であるリツ子さんの声だった。
彼女は浩司の背から、祖母を絶対にここへ戻してはならないと必に叫んでいるのが、受話器越しでもはっきりと聞き取れた。
母が入院してしまっているため、事や祖母の世話の負担が自分にすべてりかかってきて変だから、このような監禁にい状態になっているのだと、私は当初勝にい込んでいた。
だが、今こうして祖母を取り返そうと狂ったように必になる兄夫婦の過剰なを見ていると、どうやら私のこれまでの推測や像などはるかに超越した、もっと別の黒い理由があるに違いなかった。
「とにかく、おばあちゃんをどっちので過ごさせるべきかについては、部のが決めることじゃないわ。本であるおばあちゃん自のに、しっかり決めてもらいましょうね」
私はそう言い放ち、浩司が何か言い訳や罵倒をねてくるのを無して、方にプツリと通話を切断した。
以の私であれば、兄の威圧な剣幕に気圧されて言いなりになっていたかもしれないが、今の私にはそんな気は切なかった。