みかん小説
本棚

"40組の布団と消えた保険料" 第3話

美佐子が初めての正緒に過ごしたいからと直哉は説した。翌も、翌々も、旅館が忙しいからに変わっただけだった。

私は、自分が断れば直哉が母と争うことになるとい、夫婦の平を守るつもりで働いた。実際には、直哉が負うべき対を私の労働で消していただけだった。

入院3目、実母の陽子が県から来た。私は結婚、旅館が忙しいことを理由に実へほとんど帰っていなかった。配をかけたくなくて、美佐子との関係も「昔気質だけど悪いではない」と説してきた。

陽子は病で私の話を聞き、すぐ旅館へ鳴り込もうとはしなかった。「退院、どこへ帰りたいの」とだけ尋ねた。

私は答えに詰まった。旅館の敷内にあるれが夫婦の居で、賃は払っていない。仕事を辞めれば、美佐子からていけと言われる能性がある。貯は共同座に約90万円、自分名義には23万円しかなかった。

「しばらく実に来てもいい。でも、直哉さんとどうするかは、あなたが決めなさい」

陽子の言葉で、帰る所がつ増えた。私は直哉へ、退院は実静にすると伝えた。彼は「母さんへ相談してから」と言った。

「私の退院先を、お義母さんが決めるの?」

「そういうじゃない。旅館のシフトもあるし、産準備も母さんがしているから」

広告

直哉は、すでに美佐子がベビーベッドや肌着を買ったと話した。私は商品も置き所も選んでいない。美佐子は孫のために用したのではなく、私が戻ることを既定線にするため、先に部を作っていた。

陽子に付き添ってもらい、事務所で加入記録を確認した。私は《乃井》で働き始めたから、の被保険者になっていなかった。健康保険も夫の扶養として登録されており、雇用保険の加入記録もない。

細から引かれていた《社会保険料》は、どこにも納付されていなかった。

事務所の職員は、勤務実態や法の適用状況を確認しなければ判断できないと説した。族従業者でも、法との使用関係や報酬の実態によって扱いは異なる。細だけで直ちに全期の資格が認められるとは限らない。

私は労働局の総労働相談コーナーにも予約を入れた。タイムカード、細、業務指示のメッセージ、予約システムの操作履歴を保するよう助言された。病院から旅館のシステムへ入ることはせず、自分のスマートフォンに残るものだけを理した。

美佐子へ保険料について尋ねると、「旅館で積みてている」と答えた。

「社会保険料は、旅館が勝に積みてるおではありません」

産に必なら、そこから払うのよ。

広告

族のために残してあるのに、何が満なの」

4で、差し引かれた額は概算で130万円を超える。美佐子はそれを旅館の運転資として使っていた能性があった。

直哉はで、「母さんなりに貯してくれているんだ」と庇った。私は通話を終え、細をごとに並べた。その12だけ、控除額が通常より7万円いことに気づいた。

欄には、《産準備積》と印刷されていた。

私は妊娠したのが分かるから、毎同じ取りを受け取っていた。12に7万円を積みてる説も、同もしていない。

さらに共同座を確認すると、私の与として振り込まれていた額のうち、毎5万円が翌に《乃井》の座へ戻されていた。振込操作をした端末は、直哉が使う旅館事務所のパソコンだった。

陽子は、細の控除が自然でも、すぐ美佐子を棒と呼ばないよう言った。与計算の誤り、名目の使い方の違い、法側の続き漏れなど、確認する項目は複数ある。りがほど、事実よりきな言葉を使えば相に逃げを与える。

私は直哉との過のメッセージを検索した。《今は6から来て》《休みだけど団体の見送りだけ頼む》《与は母さんが計算する》。勤務を命じられた記録は残っていたが、4のすべてではない。

予約システムから毎晩届く操作通には、私が変更した刻が記録されていた。

自宅から午11に対応したい。ログの保を運営会社へ尋ねると2分はせると言われ、本のアカウント利用履歴として示を申請した。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: