"消印は失踪の3日後" 第5話
信吾は度、荷物のから量の印鑑と通帳を見つけたが、司へ報告しただけで警察にはらせなかった。
そのことを真紀は、施設から初めて聞かされた。
「真紀は俺を責めなかった。ただ、拓を連れて町をて、県警へこうと言った」
「それなら、なぜかなかったの?」
「話がかかってきたんだ」
夜、樺園の関係者から自宅へ話があり、翌朝までに真紀が見つかれば、拓にも危険が及ぶと告げられた。誰かが学の名や通学までにしたという。
信吾は怯え、警察へくことを止めた。
真紀は町れにある峰運輸の空き倉庫へ隠れ、信吾とともに失踪現を偽装することにした。誰もが真紀は川へ落ちたとえば、追跡をに避けられると考えたのだ。
信吾は別の配達員宛ての郵便物を真紀のバイクへ入れ、旧栃バスへ運んだ。真紀の制を原に置き、しく買った靴で斜面に跡をつけた。
「の配達員の郵便物を、どうやってに入れたの?」
「庭局が渡した」
郵便局も真紀に協力していた。
真紀は樺園から持ちした黒い帳と受領証を庭へ預けた。庭は町の警察署に樺園とつながりのある物がいると疑い、証拠を局内に隠すことを提案した。
「緑の郵便袋を壁に隠したのは、庭さんだったのね」
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「そうだ。全になったら県へ持ちすつもりだった」
しかし庭は翌に倒れ、秘密を伝えられなくなった。
真紀は倉庫に3を隠した。その、線で浮かぶ薬品を使ってをき、信吾に投函を頼んだ。
宛先を自分にしたのは、受取で郵便局へ戻されたを庭に回収してもらうためだった。名をけば、途で封されたに協力者が特定される。そこで真紀は、拓に届く賀状を調べるよう記すだけにとどめた。
「賀状は、あの点ですでに届いていたの?」
「いや。真紀はこれから自分が送るつもりだったんだ。者の名を使えば、事件を示すがかりになると言っていた」
1121の午、信吾は真紀からを預かり、本巣郵便局のポストへ入れた。その、料を買って倉庫へ戻った。
そこで真紀は、樺園へ戻ると言いした。
会計係の岸絵里が施設内に閉じ込められているという報を得たのだ。絵里は偽造類を作らされ、すべての資の流れをっていた。
「母さんを止めなかったの?」
「何度も止めた。だが真紀は、絵里さんを残して自分だけ逃げれば、証拠も消されると言った」
信吾は会社のトラックに真紀を乗せ、夕方5ごろ樺園へ向かった。施設からしれた林でろし、夜8に裏で待つと約束した。
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ところが午7半、自宅の留守番話に「息子を迎えにけ」というメッセージが入った。当、拓は叔母のに預けられていた。
話の主は、拓がどの部で寝ているかまでっていた。
「俺は樺園へかず、姉のへ向かった。おをに乗せて、夜がけるまでった」
「母さんは裏で待っていたんじゃないのか」
「翌朝戻ったが、誰もいなかった。裏のくに、これだけが落ちていた」
信吾は古い封筒から、血のついたガーゼと真鍮の鍵を取りした。鍵は郵便袋から見つかったものと同じ形だった。
「母さんが樺園で何をしたのか、警察に話さなかったの?」
「話せば、俺が失踪現を作ったことも、おを連れて逃げたことも分かる。真紀がまだきているなら、居所をらせることにもなるとった」
「本当は、自分が捕まるのが怖かったんだろ」
信吾はうなずいた。
「そうだ。おを守ったという言葉だけで済ませるつもりはない。俺は自分も守りたかった」
拓は父を許すことができなかった。しかし、父の告によって、母のは樺園までつながった。
そのの夜、野寺から連絡が入った。
樺園の旧館から押収した備品のに、1996当の録音テープが残っていた。岸絵里が族へ送ろうとしたものと考えられた。
テープには女性の声で、こう録音されていた。
《もし沢さんが来たら、裏ではなく礼拝へ逃げる。裏には、あのたちがいる》
真紀は、夫との約束を破ったのではなかった。