"「ただいま」と笑う夫を家族全員で無視した" 第13話
「子さんには、本当に辛いいばかりさせてしまって……」 義両親は何度も私にをげてくれた。私は、久史という男とは完全に縁を切ったとしても、この温かい義両親とは、未優の祖父母として涯の交流を続けていこうとに誓っていたのだ。
「お、おら……覚えてろよッ!!」
居所を完全に失った久史は、悔しさに顔を真っ赤に歪め、テーブルのにあった私の皿から、参とアスパラの肉巻きを切れひったくるようにへ押し込むと、逃げるように玄関をびしていった。 嘘で塗り固め、族を踏みにじり、が子にすら忘れられた男の、あまりにも惨めで滑稽な退劇だった。
私たちは、追いかけることすらしなかった。 自業自得という名の結末を見届け、私たちは再び、温かい笑顔に満ちた卓へと戻っていったのである。
それから数。 私たちは、遅ればせながらの婚旅へとかけることになった。 晃が忙な社業のを縫って週の休暇を面してくれ、私と晃、そして未優ので、の島の穏やかなリゾートへと旅ったのだ。 い砂浜を未優とでを繋いで歩き、夜には満の空を見げながら、これまでの苦難をすべて洗い流すような、のように温かいを過ごした。
しかし――旅を終え、幸せな気持ちで自宅へと帰宅した私たちを待っていたのは、信じがたい景だった。
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リビングの引き戸をけた瞬、私はわず息を呑んだ。 部のは無惨に荒らされ、引きしという引きしがすべて引っ張りされ、には類やが散乱していたのだ。 「……きゃあっ! な、何これ……!?」 恐怖とショックのあまり泣きしてしまった私を、晃はすぐさまく抱きしめ、未優をさせるように優しく背をさすってくれた。
「丈夫だ、子さん。俺たちがついてる。……警察を呼ぼう」
すぐに警察に通報し、鑑識による現検証がわれた。 そして、晃との再婚にしく購入したばかりのチェストの引きしから、警察は決定な証拠を採取した。 残されていた指紋は――ならぬ、元夫である久史のものだったのだ。 財具や現を物した痕跡から、久史は「居侵入」および「窃盗未遂」の容疑で、全国に指名配されることとなった。
警察の追を逃れ、くを完全に失った久史が逃げ込んだのは、かつての自分の実だった。 しかし、義父の閉鎖に伴い、実のと建物はすでに第者へと売却済みであり、そこには全く見らぬしい族が暮らしていたのだ。 実すら失っていたことをった久史は、あろうことか、現の主に無断で、庭の隅にある古びた物置のに法侵入し、潜伏活を始めたという。
数にわたり、久史はそののが切に育てていた庭菜園のトマトやキュウリを夜に乗じて盗みいし、をすすって飢えをしのいでいたらしい。
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だが、そんなホームレス同然の逃活も、あっけなく幕を閉じた。 庭で遊んでいたそのの子供たちに物置の隙から覗き見ているところを発見され、「棒だ!」と叫んだ子供たちから、至距で力いっぱいサッカーボールを蹴り込まれたのだ。 いサッカーボールが久史の顔面にクリーンヒットし、血を噴きしてそのに気絶。倒れ込んでいるに駆けつけた警察官によって、錠をかけられ、あっさりと現犯逮捕されたのだそうだ。
裁判の結果、久史には懲役刑の罪判決がされたものの、初犯であることや被害弁償の志(実質な能力は皆無だったが)が考慮され、執猶予付きの判決となって度は留置から釈放されたらしい。 しかし、科がつき、懲戒解雇の事実がれ渡ったを過ぎた男に、まともな再就職先が見つかるはずもなかった。 むもなく、雇いの仕事すら続かず、かといって絶縁された義両親にをげて助けを求めるプライドも持ちわせていなかった久史は、飢えと困窮に耐えかね、再びコンビニや民での窃盗を繰り返したという。
だが、今度は「執猶予期」の再犯だった。 状酌量の余など微もなく、久史は即座に実刑判決を受け、今度こそ逃れようのない刑務所のたい鉄格子のへと収容されていったのだそうだ。