"愛人とタイへ行った夫の10日後" 第8話
私はわず井を見げた。
父はくなったまで、私を守ってくれていた。
さらに鈴事部から、会社の調査結果も届いた。
タイへの航空券。
級ホテルの宿泊費。
接待と称した美穂との事。
法カードでの私な買い物。
調査を広げると、それ以にも自然な経費処理が見つかった。
「会社として厳しい処分になるそうです」
林弁護士が言った。
私は仏壇のに座り、をわせた。
夫が帰国するまで、まだ数あった。
反撃の準備は、ほぼっていた。
10目。
タイの空港で、浩司と美穂は帰国便を待っていた。
「帰りたくないなあ」
美穂が甘えた声をした。
「でも帰ったら、しいマンションの具選びだもんね」
「ああ」
浩司は笑った。
「まず由美に婚届をさせる。親父の遺産も全部理する。それから俺たちの活だ」
2は、自分たちの計画がすでに崩れていることをらなかった。
本へ到着し、浩司がスマートフォンの内モードを解除した瞬だった。
着信履歴。
メッセージ。
会社からの連絡。
田さんからの連絡。
通が次々に表示された。
「何だこれ」
50件を超える着信に、浩司は顔をしかめた。
だが内容を確認しようとはしなかった。
「どうせ俺がいないから会社もも混乱してるだけだ」
そう言って、半を消してしまった。
美穂とは空港で別れた。
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「俺はへ帰って由美に類を渡す。おはマンションのことをめておいてくれ」
「分かった」
その頃。
私は健、林弁護士と緒に、10ぶりにあのへ戻っていた。
義母が施設へ移された、のは静まり返っていた。
呼び鈴の音もない。
鳴り声もない。
私が3り続けていたとはえないほど静かだった。
私は2階の斎へがった。
黒い帳から婚届とピンクの便箋を取りす。
そしてダイニングテーブルへ並べた。
その隣に、林弁護士が用した類を置いた。
婚に関する面。
財産に関する請求。
の続き資料。
マンションに関する資料。
会社関係の証拠。
私がテーブルを見ていると、玄関のチャイムが鳴った。
健がモニターを確認した。
「母さん、鈴さんと田さんだ」
2もこのへ来てくれた。
鈴さんは黒い封筒を持っていた。
「浩司に直接伝えたいことがある」
には会社からの処分通が入っていた。
田さんも義母の入所続きに必な類と、これまでの費用に関する資料を持ってきていた。
リビングには、私、健、林弁護士、鈴さん、田さん。
浩司の10の嘘が、全て見えている5が揃った。
午になった。
からキャスター付きスーツケースの音がづいてきた。
ガラガラ。
玄関の鍵が回った。
「おい、由美! 帰ったぞ!」
焼けした浩司の声が響いた。
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「迎えにも来ないのか?」
国の甘いの匂いが、廊から漂ってきた。
「言っておいた類にちゃんと判を押したんだろうな。く持ってこい」
音がづく。
「今でおには――」
リビングの扉をけたところで、浩司の言葉が止まった。
「……何だ?」
派なシャツ。
にはサングラス。
片には免税で買ったらしい級な酒。
その姿のまま、浩司はち尽くした。
「何で……こんなにがいるんだ?」
私はソファに座ったまま浩司を見た。
「お帰りなさい、浩司さん」
「由美?」
浩司の目が泳いだ。
「健まで……鈴、お、何でここにいる?」
鈴さんがちがった。
「浩司。おがタイで田美穂さんと私に過ごしていたこと、会社の経費を正に使っていたこと。調査で確認された」
「何を言ってるんだ」
「今回だけじゃなかった」
鈴さんはい声で続けた。
「過の経費も調べた。私な、架空張、法カードの正利用。かなりの額だ」
浩司の顔が変わった。
「待て。俺は営業で結果をしてきた。の経費なんて」
「では済まない」
鈴さんは封筒を置いた。
「会社はおを懲戒処分する。返還も求める」
浩司のから、酒の袋が落ちた。
鈍い音がした。
「ふざけるな……」
次に田さんがへた。
「浩司さん。お母様についてです」
「母さん?」
「あなたがへっている、お母様は自宅で活を維持できなくなりました。
現は施設で保護されています」
「何だと?」
浩司が私を睨んだ。
「由美! おが介護を放りしたからだろう!」