"愛人とタイへ行った夫の10日後" 第6話
貞関係についても、相当い資料になります」
「お父さんの1500万円は?」
健が尋ねた。
「由美さんのお父様から相続した財産なら、夫婦で築いた財産とは性質が違います。勝に処分された経緯については、きちんと調べる必があります」
私は頷いた。
林弁護士は、マンションのパンフレットを拡して見た。
「この500万円というメモも気になります」
「私のおからているといます」
「それと、宅ローン関係の類がまだご自宅にある能性がありますね」
私の胸がざわついた。
林弁護士は続けた。
「由美さん名義で何らかの保証や同を取ろうとしていたなら、絶対に署名や押印をしてはいけません」
その、スマートフォンが鳴った。
浩司からのメッセージだった。
〈母さんの様子はどうだ?
こっちは察で忙しい。
帰国したら事な話がある。
おの親父の遺産、残っている分を俺の座へ移す準備をしておけ。
母さんの今の介護費やのリフォーム費用として、俺が括管理する。
それから斎の机にクリアファイルをしてある。の類に実印を押しておけ。
俺が帰ったらすぐへ持っていく。
言う通りにしないなら、もうおの居所はこのにないとえ。〉
読み終えた健が、く言った。
「まだを取る気かよ」
林弁護士は画面を見ながら頷いた。
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「非常に分かりやすいですね。返信はしない方がいいでしょう」
「はい」
「それと由美さん。にはできるだけく相談してください。なくとも、ご自の財産についてご主が自由にかせないよう続きを確認しましょう」
さらに林弁護士が気にしたのは、浩司のタイ旅だった。
「浩司さんは会社へ『張』と申告しているんですよね?」
「そう聞いています」
「もし会社の経費を私な旅に使っていれば、庭内の問題では済みません」
健がを乗りした。
「父さんの会社にりいはいない?」
私は考えた。
1だけいた。
浩司と同期入社で、昔は族ぐるみで付きっていた鈴さん。
現は事部になっているはずだった。
「鈴さんなら」
私が言うと、健と林弁護士が顔を見わせた。
翌朝、私は健と緒に浩司の勤務先を訪ねた。
堅メーカーの本社ビル。
受付で名を告げると、応接へ通された。
しばらくして、鈴さんがに入ってきた。
「由美さん、健君。本当に久しぶりだね。急にどうしたんだ? 浩司に何かあったのか?」
「鈴さん。今は浩司さんのことで、お話ししなければならないことがあります」
私はくをげ、証拠のコピーを入れたファイルをテーブルへ置いた。
鈴さんは戸惑いながらいた。
そして、美穂への送記録やマンションの資料を見たところで顔が変わった。
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「これは……」
「浩司さんは現、タイへ張していることになっていますよね」
「そうだ。アジアの察だと聞いている」
「実際には、取引先の田美穂さんと緒に旅しています」
鈴さんは目を見いた。
「まさか」
「私の父が残したおも使われています」
健もをいた。
「会社のおまで使っている能性があります。調べていただけませんか」
鈴さんの表が険しくなった。
「会社として確認する。これは放置できない」
応接をた、私はきく息を吐いた。
ここまで来たら、もう戻りはできない。
そのの夕方。
今度はケアマネージャーの田さんから着信が入った。
度られずにいると、すぐまた鳴った。
私は通話ボタンを押した。
「もしもし」
「あっ、由美さん! よかった」
田さんの声はらかに慌てていた。
「お義母様から事業所へ話があったんです。『嫁がていった。今すぐ誰か寄こせ』と鳴っていらして」
私は目を閉じた。
「ご主にも何度話してもつながらなくて。由美さん、今どこですか?」
「実です」
「戻れませんか? お義母様を1にしておくのは危険です」
以の私なら、すぐ謝ってへ戻っていた。
けれど、もう違った。
「田さん。申し訳ありませんが、私は戻りません」
「え?」
「3、私1で介護してきました。もうも体も限界です。夫とは婚を提に、弁護士へ相談しています」
田さんはしばらく黙った。
私は続けた。
「浩司さんは今、会社の張と偽ってタイ旅へっています。