"ソファの下のピンクのスマホ" 第9話
「私も何度も事を聞かれました。私の座を通ったおがあったから」
「そう」
「私は、本当に全部をっていたわけじゃありません」
優奈さんは顔をげた。
「でも、変だとはってました」
私は静かに聞いた。
「何が?」
「あんな、普通に考えたらおかしいでしょう。でも私は欲しかった。マンションも、ブランド物も、翔太のホテルも」
その言葉だけは、以より正直に聞こえた。
「雄と結婚したは、幸せになれるとっていました」
優奈さんは続けた。
「でも毎同じ活をしているうちに、もっとおがあれば、もっといい暮らしができればって考えるようになって……佐々さんとりった、全部簡単にに入る気がしたんです」
「雄のことは?」
彼女の目に涙が浮かんだ。
「甘えてました」
私は何も言わない。
「何をしても雄なら最は許すとってた。会社があるから婚できないって分かってたから」
その言を聞いた、胸の奥に残っていたりが再びいた。
「それをだとっていたの?」
優奈さんは首を振った。
「今はいません」
い沈黙のあと、彼女は言った。
「仕事を探しています」
私はし警戒した。
「私に紹介してほしいの?」
「……できれば」
私は首を横に振った。
優奈さんの顔が曇った。
「私があなたの活まで面倒を見る理由はないわ」
「そうですよね」
「ただ」
広告
私は鞄からさなを取りした。
の就労相談窓と、女性向けの活相談窓の連絡先だった。
以、自分の老について調べたにった所だ。
「ここなら相談には乗ってくれる」
優奈さんはを見た。
「助けてくれるんですか?」
「違うわ」
私ははっきり言った。
「私はあなたを養わない。でも、面からちがる所くらいは教えられる」
彼女はしばらくを見つめていた。
やがてくをげた。
「ありがとうございます」
をる。
優奈さんがさく言った。
「幸子さん」
私は振り返った。
「雄に……謝っても許されないとっています。でも本当に申し訳なかったと伝えてください」
「それは自分で言いなさい」
彼女は目を見いた。
「許してもらえるかどうかは、あなたが決めることじゃない。謝るかどうかだけ、自分で決めればいい」
優奈さんはゆっくり頷いた。
その姿を見送りながら、私はった。
復讐とは、相を面へ叩き落とすことではないのかもしれない。
自分が踏みにじられた所かられ、度と同じように扱わせないこと。
それで分なのかもしれない。
それから半が過ぎた。
雄の会社は、潰れなかった。
むしろ株主関係を理したことで経営は以より定し、しい取引先も増えた。
もちろん劇に持ちになったわけではない。
広告
夜遅くまで仕事をするもある。
資繰りにを抱えるもある。
でも以の雄にはなかったものが戻った。
自分で決める顔だった。
ある曜。
「母さん、久しぶりに飯いにっていい?」
話が来た。
「来るなら自分で何か買ってきて」
「肉じゃがじゃないの?」
「毎回来るたび肉じゃがだとわないで」
「じゃあ材料買ってくよ」
夕方、雄はスーパーの袋を提げてやってきた。
キッチンで並んで料理を作った。
じゃがいもの皮を剥く雄を見ていると、し議な気持ちになった。
昔は包丁さえ危なっかしかった子が、今は自分のを持ち、会社を経営し、度結婚に失敗して、それでもまた活を作り直している。
「母さん」
「何?」
「つ言っていい?」
「どうぞ」
「もう俺の、勝に掃除しなくていいからな」
私はわず笑った。
「何よ、それ」
「いや……今回の始まり、母さんがソファのまで掃除したことだろ」
「謝しなさいよ」
「謝はしてる。でも鍵も返して」
雄は笑っていた。
私はしばらく彼を見て、それから棚に置いてあった鍵を取りした。
「はい」
「本当に返すんだ」
「当たりでしょう」
私は鍵を彼のに置いた。
「あのはあなたを助けなきゃって、それしか考えてなかった。でも母親だからって、あなたのへ好きに入っていいわけじゃないものね」
雄は鍵を握ったまま黙った。
「母さんも反省するところはあったわ」
すると雄がさく笑った。
「そんなこと言うようになったんだ」
「失礼ね」
肉じゃがが煮える匂いが、部いっぱいに広がった。