"27年後、娘は父の葬儀に帰ってきた" 第6話
正が再検査をった2000頃、設は急速に業績を伸ばしていた。正は失踪児童の族として域でられ、防犯設備や公共施設の改修事を次々と受注していた。
会社のパンフレットには、美穂の写真とともに《子どもたちがして暮らせる町を》という正の文章が掲載されていた。娘の失踪をきっかけに防犯事業へ力を入れたと紹介されている。
理恵との連絡記録によれば、正は再検査の結果を彼女へ伝えていた。
《美穂は俺の子だった》
理恵は数週返事をしなかった。その、美穂を返す代わりに、これまでの経緯を公表すると正を脅していた。
正は毎の送額を増やし、娘をそのまま群馬で活させることを選んだ。
美穂が戻れば、倫と偽装養育だけでなく、これまでテレビで演じてきた父親像も崩れる。会社への寄付や支援の部を事業費へ流用していたことも発覚する。
正にとって、美穂はすでに娘ではなく、戻ってきては困る証拠になっていた。
佐子は夫の遺品を調べるで、斎の本棚に妙な空があることに気づいた。奥きがの棚より浅く、背板をすと、そのろに細い保管箱が隠されていた。
には27枚の絵葉が入っていた。
最初の葉は、美穂が11歳の誕にいたものだった。丸みのある子どもの字で、所はのままになっていた。
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《お母さん、いつ迎えに来るの? 理恵おばさんは、もうし待ちなさいと言います》
12歳の葉には、学で別の名字を使っていることがかれていた。
《っていたら、先に違うと言われました。私は誰の子ですか》
15歳になると文章はくなった。
《私が悪い子だったから、捨てたの?》
20歳の葉には、母への質問がなくなっていた。
《もう待ちません。私にも活があります》
最の葉は、理恵がくなる半にされたものだった。
《度だけ、あなたが本当に私をいらないと言ったのか、自分ので聞きたかった》
正はすべて受け取っていた。
1枚も佐子へ見せなかった。
佐子はに座り込み、最初の葉から順に読み返した。娘が11歳、12歳、13歳とをねていく方、自分は毎、聞へ帰宅を呼びかけていた。
母娘は互いを捜していた。
しかし、2のに正と理恵がち、それぞれの声を隠していた。
佐子は自宅へ戻り、赤いファイルを取りした。27分の尋広告を美穂に見せるため、群馬へ向かった。
理恵のは、沿いの静かな宅にあった。古い造宅で、庭には使われなくなった物干し台と、さな柿のが残っていた。
美穂は居で理恵の遺品を理していた。佐子が赤いファイルを差ししても、すぐにはかなかった。
「これも、私に信じさせるために作ったもの?」
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「違う。でも、そううのも無理はない」
佐子は27枚の信片もテーブルへ置いた。
美穂は自分がいた葉を1枚ずつ確認した。幼い頃の字を見ても表を変えなかったが、最の葉をにすると、指が震えた。
「届いていたんだ」
「全部、正さんが隠していた」
「理恵さんは、してくれていたのね」
その言葉には、わずかな堵があった。理恵だけは完全に自分を欺いていなかったのかもしれない。美穂はそういたかった。
だが佐子は、赤いファイルのから切り抜きが数枚なくなっていることに気づいた。
美穂が失踪して3目、8目、15目の記事だけが消えていた。
理恵の寝を調べると、箪笥の奥からその3枚が見つかった。裏面には、理恵の字で付とい言葉がかれていた。
《まだ見せない》
《美穂が疑い始めた》
《佐子は諦めていない》
理恵は、佐子が娘を捜していることをっていた。
美穂に見せなかったのは正だけではなかった。
美穂は、理恵が最まで自分を守ってくれたと信じていた。病気になってからは介護を続け、くなるには「今まで育ててくれてありがとう」と伝えていた。
しかし遺品から見つかった聞記事は、理恵が佐子の捜索をりながら隠していたことを示していた。
「理恵さんは、私に本当のことを話そうとしていた」
美穂は自分に言い聞かせるように話した。
「くなる、あなたへ会いにってもいいと言ってくれた」