みかん小説
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"27年後、娘は父の葬儀に帰ってきた" 第3話

夫が本当に美穂をしていたのか、すでに分からなくなっていた。

が終わり、参列者がなくなった頃、黒いを着た女性が式へ入ってきた。齢は40歳に見え、い髪をろで束ねていた。

女性は祭壇のち、鞄からさな形の髪留めをした。27、佐子が美穂の10歳の誕に買ったものだった。

女性は髪留めを正の遺へ置き、遺族席の佐子を見た。

「お母さん」

子の呼吸が止まった。

女性は笑っていなかった。懐かしさよりも、押し込めてきたりが表ににじんでいた。

「遅くなったけど、迎えに来たよ」

女性は自分を川美穂と名乗った。群馬県で育ち、現内の介護施設で働いていると話した。

子は、目のの女性が娘だとすぐには信じられなかった。面はあったが、27というが、その顔をらないのものへ変えていた。

「どうして今まで連絡しなかったの?」

子が尋ねると、美穂はたい目を向けた。

「それを私に聞くの?」

美穂は鞄から古い封筒を取りした。には《養育委託承諾》とかれた類が入っていた。

子は、娘・美穂の養育を川理恵へ委託する》

類には佐子の署名と印鑑があり、庭の事によって当面の養育が困難になったと記載されていた。

「私は、あなたに捨てられたと聞いて育った」

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「違う。こんなもの、いていない」

「署名も印鑑もある」

「偽物よ」

「理恵さんは、あなたから直接預かったと言っていた」

美穂は、正ではなく佐子を責めるために葬儀へ来ていた。父は娘を捜し続けた方、母は自分を別の女性へ渡した。理恵からそう教えられていたのである。

美穂の記憶では、学に現れた理恵は、母が交通事故に遭ったと説した。その、病院へ向かうはずのへ入り、夜になって群馬県内のへ到着した。

美穂が帰りたいと泣くと、理恵は養育委託を見せた。

「お母さんは、しばらく美穂ちゃんを育てられないの。借があって、らない男のくへくことになったのよ」

当初、美穂は信じなかった。何度も話しようとしたが、理恵は正から連絡が来るから待ちなさいと言い、させなかった。

1か、理恵は郊のあいにあるへ移った。そこでは、理恵のくなった姉の娘の類を使い、美穂を《川美穂》として活させた。

理恵の姉には、美穂と同じまれ、幼い頃にくなった娘がいた。しかし庭内の事からに関する続きが理されておらず、民記録だけが残っていた。

は理恵と協力し、その記録を利用して学へ入れるための類を用した。さな町では転入事を細かく確認されず、美穂は別の戸籍につながる名んだ。

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「お父さんが関わっていたとっていたの?」

子が尋ねると、美穂は首を横に振った。

「理恵さんは、お父さんも私を捜していると言っていた。だから会いにったら迷惑をかけるとっていた」

「何が迷惑なの?」

「あなたが借を作って逃げたせいで、お父さんの会社も危ない。私が帰れば、お父さんまで巻き込まれると」

美穂はを卒業するまで、理恵のからくへることを許されなかった。テレビで失踪事件が取りげられても、理恵は番組を見せなかった。

も、美穂は佐子へのりを抱えながら理恵と暮らし続けた。養育してくれた恩があり、病気になった理恵を置いていくこともできなかった。

理恵がくなったのは、正の葬儀の3かだった。

遺品を理していた理恵の弟・川隆が、聞記事や正からの送記録を美穂へ渡した。そこで初めて、自分が本当に者として捜されていたことをった。

「それでも、私はあなたが送ったとっていた」

美穂は養育委託を指した。

子は弁護士へ相談し、類の跡鑑定を依頼した。数週な結果がた。

類の署名は、佐子本いた能性が極めてい。

「そんなはずはありません。私は娘を放す類なんて、度もいていません」

鑑定は、署名そのものを別の類から切り取って貼った形跡も、複写した痕跡もないと説した。

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