"消えた母と2800万円" 第5話
「借を免除されたのも、その見返り?」
「ああ」
俊はさく答えた。
「俺は、いずれ佳代が戻ってくるとっていた。自分で逃げたことにして、どこかできていると」
「そういたかっただけでしょう?」
奈緒の言葉に、俊は何も返せなかった。
奈緒は父のをるに、23の捜索資料と父の証言を警察へ提すると告げた。俊は止めなかった。
玄関で靴を履いていると、背から父の声がした。
「佳代は、6に度戻ってきた」
奈緒は振り返った。
2004、18歳だった奈緒が学へ学した、佳代は俊へを送っていた。娘に真実を話したいから、松代駅で会わせてほしいとかれていた。
「どうして教えてくれなかったの?」
俊は答えず、古い箪笥の引きしから封筒をした。
未封ではなかった。便箋には佳代の字で、417午2、松代駅とかれていた。
奈緒はそのを覚えていた。父から、母の盗んだがで見つかったかもしれないと言われ、埼玉の自宅で待つよう命じられていた。
佳代は駅で待っていた。奈緒は、何もらずに父の帰りを待っていた。
「お母さんには何と言ったの?」
「おは全部っている。盗みを働いた母親には会いたくないと言っていると伝えた」
奈緒は、父の顔を平で打つことさえできなかった。
りがきすぎて、腕をかすこともできなかった。
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俊の証言によって、佳代がなくとも失踪から6まできていたことが分かった。しかし、2004のには所も話番号もかれていなかった。
消印は潟県岡だった。警察は当の宿泊記録や民登録を調べたが、佳代の名は見つからなかった。
方、鉄製の箱に入っていた12冊の通帳についても鑑定がんだ。座設類の跡は佳代のものではなく、複数の職員が代したように見せかけながら、共通する特徴が残っていた。
跡は、当の支・沢義と致した。
沢は事件から8に信用庫を退職し、2016にくなっていた。退職は義父が経営していた清計のと建物を相続している。
の貸庫は、沢が正座の通帳や印鑑を隠すために使っていたと考えられた。
佳代の実印が緒に入っていたのは、必になった、彼女が座を設したように見せかけるためだった。印鑑は俊が赤い包を焼くに抜き取り、片瀬へ渡していた。
「父は、印鑑まで渡していたんですか?」
奈緒が確認すると、担当刑事は静かに頷いた。
「ご本も認めています。ただし、通帳の作成には関与していないと話しています」
鉄製の箱に入っていた《奈緒が30歳になったら渡してください》という封筒は、とインクの製造期から、2005以にかれたものだと判した。
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佳代失踪からなくとも7である。
いた物は、正の内容をっていた。さらに、奈緒が事件当12歳であり、30歳になるまで把握していた。
清計の元従業員を調べると、1だけ連絡の取れる物がいた。松永圭介という男性で、現は田内の老施設に暮らしていた。
松永は1998当、29歳だった。計修理を学ぶためみ込みで働き、主である清と、娘婿の沢がへ入りする姿を何度も見ていた。
奈緒が面会へ入ると、松永は母の写真をく見つめた。
「佳代さんがきているか、っていますか?」
「今は分かりません」
「でも、母に会ったことがあるんですね?」
松永は頷いた。
失踪当の午9頃、を閉めた松永がの作業にいると、裏から沢と片瀬が入ってきた。2の部に挟まれ、佳代も緒にいた。
佳代は首をつかまれていたが、識はあり、自分ので歩いていた。の箱は沢が持っていた。
佳代は、正融資の資料を複数の所へ送ったと告げた。
「私がの朝までに帰らなければ、全部へます」
実際には、佳代が持ちした原本以の資料がしたかどうかは分からない。しかし沢たちは、その言葉を信じた。
片瀬は佳代へ条件をした。資料の所をかし、度と松代へ戻らないと約束すれば、奈緒にはをさない。
佳代は拒んだが、片瀬が奈緒の学と通学をにすると、態度を変えた。