"3人の息子は、夫の隠し子だった" 第11話
――さえこちらに置けば、株は実質に俺がかせる。
――綾音には育児能力がないことにすればいい。
静まり返った法廷で、総郎の顔が赤くなった。
「夫婦の会話を勝に切り取っただけだ」
「では、3の記録を偽装した件も、切り取りだとおっしゃるのですか」
田弁護士が尋ねると、総郎は黙った。
由も証言台にった。自分が蓮の実母であること、蒼太と陽斗の父親が別であること、総郎と静子が類の偽装を主導したことを認めた。そして、を連れしたのは総郎の指示だったと証言した。
「嘘だ。全部あの女が考えた」
総郎はちがり、由を指さした。裁判官に制止されても声を荒らげた。
「俺は騙されたんだ。蒼太も陽斗も俺の子じゃない。あの女が勝に産んだ子だ」
傍聴席の端で由が顔を伏せた。だが総郎の言葉に最も傷つくのは、ここにいない2の子供たちだ。自分は父親ではないと叫ぶに、何も父親として暮らした責任を考えることが、この男には最までできなかった。
田弁護士は、総郎が蒼太と陽斗を自分の子と信じていた期について確認した。その、彼は子供たちの世話をしたか、学事へたか、病院へ付き添ったか。総郎はつも具体に答えられなかった。血がつながっているとっていたときでさえ、実際の養育はすべて私と使用へ任せていたのである。
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「父親だと信じていたから権利を主張し、違うと分かった瞬に責任まで否定する。それがあなたの言う族ですか」
私の問いに、総郎はにらみ返すだけだった。
その言葉を聞いたとき、私は彼が崩れた本当の理由を理解した。会社を失うことでも、正を暴かれることでもない。自分がを支配していたつもりで、実は自分も利用されていた。その屈辱に耐えられないのだ。
審理の終盤、裁判官から解の能性を問われた。総郎は私に向き直り、最の取引を持ちかけた。
「3のうち1なら、おに任せてもいい。蓮は駄目だが、蒼太か陽斗を選べ。と緒に育てれば、世にも体裁がつく。その代わり会社の件からを引け」
息子を商品棚の商品であるかのように並べる言葉に、法廷の空気が凍った。総郎は、自分が寛な提案をしていると本気でっていた。
私は静かにちがった。
「選びません」
「がるな。おは5、あの子たちの母親だったんだぞ」
「だからこそ、子供を取引に使うあなたの提案を受けることはできない。3には3のがある。あなたの会社を守るために、私が誰かを選んで引き取るべきではありません」
私は傍聴席の方で支援者と待つを見た。娘はそうにしながらも、まっすぐ私を見つめていた。
「私が選ぶのはです。
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あなたが度も守らなかった、私の切な娘です」
総郎の元が震えた。
「悔するぞ」
「悔なら、もう分したわ。もっとく娘を連れてなかったことをね」
裁判所は、私をの親権者と定め、総郎との接触には当面、第者関の関与を必とする判断を示した。婚も成し、貞、精神虐待、財産隠しを踏まえた慰謝料と財産分与が認められた。
同期、総郎と静子、医療法の関係者に対する捜査が本格化した。会社資の流用と虚偽類の作成について、複数の証拠がそろったのだ。
法廷をると、がってきた。私は娘のを握った。斎藤の指輪は、もうしてある。掌に残ったのは、さく柔らかな娘の体温だけだった。
総郎は業務横領や私文偽造など複数の容疑で逮捕された。静子も任の事聴取を受け、医療法とので交わされた記録から、にわたり正へ関与していたことがらかになった。
報陣が斎藤のに集まり、かつて格式の象徴だった表札はい布で覆われた。取引は追加融資を止し、会社は部から経営者を迎えて再建へきした。総郎が誇っていた豪邸も、損害の補填と税の支払いのため売却されることになった。
けれど私は、その様子を見にかなかった。
復讐が目ではなかったからだ。として暮らせること、自分の名で仕事を続けられること。