"3人の息子は、夫の隠し子だった" 第2話
総郎の顔に堵が浮かんだ。私はのにしゃがみ、そのたいを握った。そして、もう度夫を見た。
「あなたのが産んだ3の隠し子なんて、1もいらないもの」
鳴が窓を震わせた。総郎の顔から血の気が引き、階段の踊りで誰かが息をのむ音がした。そこにっていたのは、4からみ込みで息子たちの庭教師をしている伊藤由だった。
「何を、馬鹿なことを」
「斎の側、番の引きし。その底に隠してある親子鑑定を、ここで読みげましょうか。蓮、蒼太、陽斗。3とも、物学の母親は伊藤由と記されているわ」
総郎は反射にちがった。けれど、私はもうずさりしなかった。
「お、俺の類を盗んだのか」
「盗んでいないわ。あなたが酔って鍵をけたまま眠った夜に見ただけ。もっとも、写真とコピーは取らせてもらったけれど」
「証拠を渡せ。今すぐだ」
「嫌よ。私が5、血のつながらない3を必に育てているのを見て、あなたたちは楽しかったでしょうね。由さんは私を慰めるふりをして、では自分の息子たちに『あの女は使用だから何をさせてもいい』と教えていた」
由の顔が階段の暗がりへ消えた。総郎は何か言い返そうとしたが、言葉がてこなかった。
私は婚届を鞄に入れた。
「は私が連れていく。
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あなたたちは本当の親子5で暮らせばいいわ」
「待て。は斎藤の子だ。俺の許なく連れせるとうな」
「あなたは今まで度でも、この子を娘として守ったことがあるの」
総郎の沈黙が答えだった。私はのを握り、い玄関扉へ向かった。背から息子たちの満げな声と、陶器がで砕ける音が聞こえたが、振り返らなかった。
は激しいだった。それでも、豪邸のより息がしやすかった。
へ向かう途、背から静子の声がんできた。騒ぎを聞きつけ、れにいた彼女が傘も差さず追ってきたのだ。
「綾音さん、恥をさらすつもり? 妻なら夫の度や度の過ちくらいみ込みなさい。あの子たちには斎藤の血が流れているのよ」
私はを止めたが、振り返らなかった。
「では、お義母様が育ててください。私はこれまで、あなたが『血筋の分からない女』と呼んだを守ります」
静子は言葉を失い、次の瞬には、私が持ちした物を調べろと使用へ叫んだ。けれど私の鞄に入っていたのは、自分と娘の類、婚届、そして証拠だけだった。斎藤から与えられた宝も計も、つ残らず化粧台に置いてきた。から盗と呼ばせないため、その様子も型カメラに記録していた。
「ママ、私たち、どこへくの」
「本当のおよ。がきな声で笑っても、誰にも叱られない」
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私は娘のをく握った。鞄の底には親子鑑定のコピーと、総郎がまだすららないさな記録媒体が入っていた。
婚は終わりではない。私たち親子がき直すための、最初の歩にすぎなかった。
しいまいは、斎藤の敷の納戸ほどしかない2DKのアパートだった。築数は古く、玄関のにはさな傷があり、台所の換気扇もい音をてた。それでも向きの窓から差し込む朝は、豪邸のシャンデリアよりずっとるかった。
「ここには、本当にママとしかいないの」
は何度も同じことを尋ねた。兄たちは来ないのか。おばあちゃんに鳴られないか。由に腕をつねられないか。そのたびに私はしゃがみ、娘の目を見て答えた。
「誰も勝に入ってこない。ここは私たちのよ」
は部の央で恐る恐る両腕を広げ、度だけくるりと回った。けれど、すぐにきを止めて私の顔をうかがった。5歳の子供が、ぶことにまで許を求めている。その姿を見たとき、私は自分の過ちのきさをいった。
引っ越した最初の夕は、所のスーパーで買ったさな弁当だった。斎藤では毎晩、栄養と見栄えを考えた料理を8品以並べていたのに、私たちの卓にあるのは鮭弁当とパックの麦茶だけだった。私は娘に申し訳なくったが、は蓋をけると目を輝かせた。
「この卵焼き、がべていいの?」