"その家、私のです" 第2話
「鍵を替えて締めすことは避けてください。まず婚条件と退期限を面で理しましょう」
絵里は頷いた。勝つために乱暴なことをすれば、で自分が利になる。りを順へ変える必があった。
さらに、婚届を先にすか尋ねられた。や預のに提すれば、修司が話しいを避ける能性がある。絵里は婚届を預かったまま、庭裁判所の調を申してることにした。
帰宅すると、千鶴子が段ボールを用していた。「あなたの器、分けておいたわ。持っていかない物は処分していい?」
箱には絵里が結婚から使っていた皿だけが入り、で買った鍋やは台所に残されている。もうの主婦ではなく、ていく客として扱われていた。
「処分しないでください。財産の話が終わるまでは」
「細かいわね。修司が嫌になるのも分かるわ」
絵里は言い返さず、箱を自へ運んだ。その夜から、通帳、保険証券、税の領収、購入の契約をつずつ確認した。
修司の万円は、費と費、千鶴子を含む活費に消えていた。改装費百万円は修司の会社が施し、修司が支払ったことになっている。しかし請求の写しを見ると、百万円だけが振込で、残りは『社内福利値引き』と記載されていた。
美という女性は修司の会社の経理課だった。
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絵里は会社の確定申告を伝ったことがあり、顔をっている。婚にへむ恋だとったが、メッセージの『計画』という言葉が引っかかった。
週末、絵里は最限の荷物を持ってをた。会社くの具付き賃貸をか契約し、鍵を本だけ修司へ渡した。
「やっと決めたか」
修司は婚届へ署名を求めたが、絵里は調で条件を決めてから提すると伝えた。については無償使用を終し、かまでに退してもらう予定だとも告げた。
「何を言ってるんだ。俺はここにんだんだぞ」
「んだ数で所者が変わるわけではない」
「改装費を返せ。それなら考える」
「資料を確認して、必な精算は調で話します」
千鶴子は玄関で腕を組み、「病気の寄りを追いすなんて、としてどうなの」と責めた。絵里は、かの猶予に転居先を探すため、産会社と域包括支援センターの連絡先を渡した。
「私に探させるつもり?」
「み続けたいが探すことです」
へると、持っていた鍵がのに本残った。絵里はそれを捨てず、封筒へ入れて弁護士に預けた。をることと、を譲ることを同じにさせないためだった。
しい部へ着いた夜、絵里は段ボールをける気力もなく、へ座ってコンビニのおにぎりをべた。
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窓のには線があり、分ごとにの音がした。自由になったびより、自分のをれた悔しさの方がきかった。
翌朝、千鶴子から《ごみのを教えて》《薬を取りにくはいつだったか》と連絡が来た。修司からは《ネットの暗証番号は?》《米はどこで買っていた?》と続いた。絵里がを管理していた事実を、は絵里がいなくなって初めてった。
絵里は必な契約先覧だけを度送り、以は自分たちで問いわせるよう伝えた。千鶴子の病院については予約を教えたが、送迎は引き受けなかった。介護を放棄したのではない。実の息子がいるで、婚を求められた嫁だけが担う理由はなかった。
具付き賃貸の初期費用は万円かかった。引っ越し代、相談料、の費もある。通帳の残が減るたびになったが、を譲って円満に別れる方が何倍もきな損失になる。
絵里は支を件ずつ表へ入れた。でびしたのではなく、全に話しうための別居だと、自分自へ説するためでもあった。
別居から週、最初の調期が届いた。修司は代理をてず、話で「夫婦の話を裁判所へ持ち込むなんてげさだ」とった。
絵里は直接の議論を避け、連絡はメールに限定した。修司からは、蔵庫が壊れた、母の通院送迎が必、固定資産税の通が来たという連絡が続いた。
どれも以は絵里が処理していたことだった。