"「姉は他人」と治療費を拒んだ夫――姑の救急搬送で800万円を求められた私は、通帳を閉じた" 第4話
姉のまで売れ
「勘違いするな。あの500万円は投資だ」
沈黙を破った浩司は、声を潜めることさえ忘れていた。
「青葉産への支払いが、どうして投資になるんですか」
「母さんの老のためにマンションを買おうとしただけだ。いずれおもめるとっていた」
「同居予定者に私の名はありませんでした」
浩司の頬が引きつった。
「鈴彩佳さんの名はありましたけど」
廊の向こうで護師がこちらを見た。浩司は慌てて私の腕をつかみ、族待へ引き入れた。
「勝に俺の類を見たのか」
「勝に私の座から500万円を送ったが、それを言うんですか」
私は腕を振りほどいた。
「残りの300万円は、姉のために使います。もともと、そのために残してきたおですから」
「ふざけるな。母さんがこんな状態なんだぞ」
「私にとって、姉も同じです」
浩司は反論できず、奥歯を噛みしめた。
翌朝、子は般病棟へ移された。命に差し迫る危険はひとまずったものの、術の検討と期のリハビリが必だと説された。
病に入るなり、子は酸素チューブをつけたまま私をにらんだ。
「由美さん。浩司から聞いたわよ。あなた、私のおをさないつもりなんですって?」
「あれはお義母さんのおではありません。私名義の庭用座です」
「妻のは夫のでしょう。
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族が困っているにすのが当たりじゃない」
5、私がにしたのと同じ言葉だった。
「私の姉も族です」
「あのは佐藤とは関係ないわ」
子は吐き捨てるように言い、枕元のをんだ。
「独りで、子どももいないんでしょう。治療したところで、誰の役にもたないじゃない」
「母さん、直子さんのがあるだろ」
横にいた浩司がを挟んだ。
「古いだけど、はそこそこ広い。あれを売れば、母さんの今の費用くらいせるんじゃないか」
あまりに自然な調だったので、瞬、を理解できなかった。
「姉のを売れと言っているんですか」
「どうせ姉さんがんだら、おが相続するんだろ。しく処分するだけだ」
子も当然のようにうなずいた。
「そうしなさい。私の入院費も、この先の介護費用も必なんだから。それと、婚届にも今に判を押してちょうだい。浩司には、もっと若くて気の利くがいるの」
2は、私が彩佳のも偽造された婚届もっていることを忘れたように、自分たちの希望を並べ始めた。
姉の治療費を奪う。
姉のを売る。
私の800万円で、浩司と子とがしい活を始める。
彼らにとって、私は最までを運ぶための具でしかなかったのだ。
私はバッグのでスマートフォンの録音ボタンを押した。
「分かりました」
浩司と子の表が同に緩んだ。
「必な類を、私が揃えます」
「最初から素直にそう言えばいいのよ」
子は満そうに目を閉じた。
病をた私は、録音が保されていることを確認した。エレベーターには乗らず、そのまま役所へ話をかける。
「婚届の受理申について、確認したいことがあります」
これから揃えるのは、姉のを売るための類ではない。
浩司と子が作った逃げを、1つずつ塞ぐための類だった。