"「姉は他人」と治療費を拒んだ夫――姑の救急搬送で800万円を求められた私は、通帳を閉じた" 第3話
5の救急搬送
それから4、私は何もらない妻を演じ続けた。
朝は浩司の弁当を作り、夜は決まったに夕を並べた。そのに、500万円の送画面、マンションの申込、偽造された婚届を複数の所へ保した。直子の術に必な当面の費用は、自分の個座から支払った。
浩司は私の沈黙を従だとい込み、以より嫌がよくなった。
姉の治療費を断られてから5目の夕方、浩司は子と寿司をべにった。予約したのは、12万円を超えるコースをすだった。
「母さんが退院したら、もっと贅沢させてやらないとな」
玄関で靴を履きながら浩司が言った。
子は5に臓の術を受けている。それでも最は体調がいいと言い、事も買い物も好き放題だった。
「直子さんの病院にはくなよ。せっかくの休に暗い顔を持ち込まれたくないからな」
浩司はそう言い残し、でかけた。
ところが、1もたたないうちに話が鳴った。
「由美、すぐ央総病院へ来い。母さんが倒れた」
話の向こうでは、救急のサイレンと浩司の荒い息がなっていた。
子は寿司の入で激しい胸痛を訴え、そのに倒れたという。救急搬送、医師は血管の異常を疑い、検査と必な処置を始めていた。
病院に着くと、浩司は救急処置のを落ち着きなく歩き回っていた。
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ネクタイは曲がり、額には汗が浮かんでいる。
「遅いぞ。こんなくらい急げないのか」
私の姉が倒れたと伝えた、浩司はソファからちがりもしなかった。同じ病院のい廊で、今は祈るように両を組んでいる。
やがて医師がてきた。
「緊急の処置は済みました。現点では識もあります。ただ、以治療した箇所とは別の部分にも問題が見つかっています。今、術を含めた治療と、期の入院やリハビリが必になる能性があります」
浩司は何度もをげた。
「お願いします。母を助けてください。できることは何でもします」
医師が再び処置へ戻ると、浩司は壁にもたれてきく息を吐いた。数秒、何かをいしたように私を見た。
「由美、あの座には300万円残っていたよな」
私は答えなかった。
「母さんは術だけじゃ済まないかもしれない。入院もリハビリもくなる。残っている300万円を使ってくれ。の朝、でろしてこい」
命令する調だった。
わずか5、同じ男が直子をと呼び、120万円をすことさえ拒んだ。その男が今、当然のように私名義の300万円を差しせと言っている。
私は浩司の目をまっすぐ見た。
「その300万円なら、昨、私が止めました」
浩司の顔から、すっと血の気が引いた。
「止めたって……何をだ」
「あなたが、また勝に送できないようにしたんです」
消毒液の匂いが漂う廊で、浩司はをけたままかなくなった。
私が500万円をっている。
その事実を、ようやく理解したのだ。