"7年間介護した私を捨てた夫――愛人を連れて帰宅すると、寝たきりの母も介護ベッドも消えていた" 第6話
2200万円は誰のものか
翌朝9、は由美に話をベッドのそばへ置かせた。
「さんに話して」
由美が代わりに話そうとすると、は首を横に振った。
「最初は私が話すわ。私のことだもの」
話を受けたは、本が約2200万円の預貯を介護費用に使いたいと希望していることを確認すると、慎に答えた。
『切な資産に関わることです。成見制度なども含め、さんの権利を守る方法を、法律相談で度確認しましょう。ご族だけでめると、あとで“本のではなかった”と言われる能性があります』
そののうちに由美はの法律相談へ連絡し、、と緒に弁護士の説を受けた。は自分の齢、病歴、預貯の額、希望する介護について、をかけながらも自分の言葉で答えた。
弁護士はのが確であることを確かめたうえで、まず本からへ事を説し、必な続きを相談するよう助言した。
自宅へ戻ると、はスピーカーフォンにした話の受話器をで握った。
「息子が通帳とカードを管理しています。でも、これからは私の介護に使いたいんです。私自が分かる形で管理したいとっています」
言葉は何度か途切れた。それでも由美はを挟まず、が話し終えるまで隣で待った。
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側は事を聞き、本確認と確認のため担当者が自宅を訪問すると答えた。
数、員が2で訪れた。は運転免許証の代わりに健康保険証などの本確認類を示し、これまでの管理状況と今の希望を説した。由美との話だけで処理されることはなく、質問はすべて本へ向けられた。
「預を誰かに譲りたいわけではありません。私がこれから暮らす所と、必な介護のために使いたいんです」
「ご子息には、どこまで任せたいとお考えですか」
「連絡先にはなってもらいます。でも、おを使うかどうかは私が決めます」
は途で息をえながらも、度も由美へ答えを求めなかった。体が自由であることと、がないことは違う。その当然の事実を、質問に答えるたびに自分のへ取り戻しているようだった。
「現、息子さんがお持ちのカードについては、様ご本のお申しとして利用を止め、しい続きへめます。今のお取引方法も、使いやすい形を緒に確認いたします」
残についても確認がわれた。幸い、きな引きしは見当たらず、が聞いていた2200万円はおおむね残っていた。健はまだそのものにはをつけていない。けれど、母親がきているうちから、そのを自分の将来の財産として扱っていた。
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は何度も頷き、必な類へ、くでゆっくり名をいた。以なら健に任せていた欄だった。
続きが終わると、は疲れ切ったように枕へを戻した。けれど、その表はれていた。
「これで、施設へけるのね」
「はい。お義母さん自のおで、お義母さんが選べます」
由美が答えると、は目を閉じたままさく笑った。
もすぐにき、受け入れ能なショートステイを探した。空きは限られていたが、現の介護計画と薬報をそろえ、数週の利用始を確保できた。そのに期入居先を探すことも決まった。
健は何もらなかった。母親の通帳もカードも元にあるため、2200万円は自分の管理にあると信じたままだった。
はしい続きの控えを封筒へ入れ、枕元の引きしにしまった。その作にはがかかったが、由美はをさずに見守った。最に引きしを閉めた、は7に倒れて以来、初めて自分で部の鍵をかけたのような顔をしていた。
だが、そのを境に、彼の持っているカードは、もう母親のを止める鍵ではなくなっていた。