"同じ部署の社員が月30万〜50万円もらう中、私の月給だけは18万円だった" 第4話
186ページの引継
オンライン会議を終えた私は、引き継ぎ資料の最終確認を始めた。午4に更を断っても、顧客の業務や同僚に混乱を残さないため、契約終に備えた作業は12からめている。
運用順は186ページ。サーバーの起と止、障害の切り分け、緊急連絡先、次処理、型更のテスト結果まで、必な報を会社の文管理システムへ保してあった。個用端末や部記憶媒体には、顧客データを1件も入れていない。
文章だけでは迷う箇所には、会社の規定に従ってマスキングした操作画面を添え、緊急度を赤、黄、青の3段階に分けた。目次から目の順へ移れるようリンクも付けている。私自が読んでも迷わない形にすることが、引き継ぎ資料の最条件だとっていた。
引き継ぎ説会も3回設定した。1回目は田が会議を取り消し、2回目は菱田が「スマホでも見れば分かる」と欠席した。3回目だけ、入社2目の森本織が参加し、240分の説を録画してくれた。
「本当に今で終わりなんですか」
森本はテスト環境で再起順を確認しながら、そうに尋ねた。私が契約を更するものだと、部署全体が聞かされていたらしい。
彼女のデスクには、障害対応の参考が3冊並んでいる。分からないことを隠さず、説も細かくメモを取っていた。
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菱田より与はくても、自分で覚えようとする森本なら、なくとも順を閉じたままへ押しつけることはないだろう。
「まだ事へ回答していません。ただ、私がいなくても確認できるよう、資料は全部残してあります」
私は画面を指し、彼女自に操作してもらった。最初はマウスを握るが固かったが、順の番号どおりにめると、テスト用サーバーは正常にちがった。私だけしか扱えない状態にするのではなく、学ぶのあるなら引き継げる状態にしておく。それが技術者としての最の責任だった。
午126分、森本が確認者欄へ署名し、文管理システムにも《引継完》と登録した。登録通は田、事、報管理責任者へ自送信される。田は12に資料を受領済みで、閲覧した刻も記録されていた。
それでも午2を過ぎると、田が私の机へ来て声を落とした。
「契約を更しないなら、引き継ぎとして処理する。会社が困るような辞め方をすれば、次の職にも連絡がくとえ」
「説会の案内と録画、186ページの順、受領記録があります。追加事項があれば、午3までに面でおらせください」
私が答えると、田の線が文管理画面へ移った。自分が資料をいた刻まで残っているとはわなかったのだろう。
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元を歪めたまま、彼は何も言わずれていった。
会社から付与された私のアクセス権限は、契約終刻の午6に自失効する。秘密のパスワードでシステムを止める必も、順を隠す必もない。から誰が操作するかは、会社が選び、会社が責任を負うことだった。
午347分、菱田が子を回して私を見た。
「結局、更するんでしょ。終わったら俺の送別じゃなくて、君の残留祝いでもする?」
私は机の引きしから社員証と貸与端末の返却確認票をし、鞄のい封筒の横へ入れた。
デスクに残したのは、会社から支された文具と理済みの案件覧だけだった。4使ったマグカップをで包むと、ったより軽い。ここをれる怖さより、もう夜の着信を1で待たなくてよいという堵が、胸の奥へゆっくり広がった。
そのとき、受付から内線が入った。
《青葉通信の黒田取締役、川様、法務担当者の3名がお見えです。午4の会議へご案内してよろしいでしょうか》
壁の計は、午352分を示していた。