"同じ部署の社員が月30万〜50万円もらう中、私の月給だけは18万円だった" 第2話
50万円の社員は1回
会議をると、えすぎた廊の空気が頬を撫でた。ガラス扉の向こうでは、発部の社員たちがコーヒーをみながら朝の雑談を続けている。私がを決める類を突きつけられていたも、職はいつもと変わらずいていた。
自席へ戻ると、隣の菱田亮がスマートフォンを差しした。31歳の彼は専務の甥で、入社したから正社員、は50万円だと自分で何度も話していた。
背もたれには品のジャケットが掛かり、机には会社経費で買った最型のタブレットが置かれている。
「野さん、青葉通信の管理画面に入れないんだけど。代わりにログインしておいて」
画面には《パスワードが違います》と表示されている。
「個アカウントをほかのが使うことは禁止されています。再設定してください」
「細かいなあ。今で契約が終わるから嫌悪いの?」
菱田はで笑い、端末を机へ放った。来の型更では、類のプロジェクト責任者が彼、私は補助担当になっている。しかし菱田はテスト環境の起順も、障害の連絡先も覚えていない。
私は青葉通信と共している正規の作業管理画面をいた。契約終に未処理案件を確認し、引き継ぎ覧を確定させるためだ。過6かの障害記録は73件。そのすべてに私の担当者IDが残り、夜や休の復旧刻まで記録されている。
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最もかったのは、曜の午418分に起きたデータベース障害だった。私は話で川と状況を確認しながら、227分かけて処理を復旧させた。田から届いた連絡は翌朝の《直ったなら報告をいておけ》という1だけで、菱田は昼まで障害があったことさえらなかった。
方、菱田のIDで基幹システムへ入った履歴は、6かで1回だけだった。その1回も、私が横で操作方法を説した研修のものだ。
机の向こうで田が菱田を呼び、青葉通信へ提する次報告を渡した。
「型更も順調といておいた。責任者は今回も君だ。これで次の事評価は期待できるぞ」
「ありがとうございます。細かい作業は野さんにやらせます」
2は声を潜めることさえしなかった。田の元にある報告の表には、《統括責任者 菱田亮》ときく印刷され、私の名は末尾の作業補助欄にだけ残っている。
菱田は報告を受け取ると、を確認せず自分の印鑑を押した。朱肉の赤が乾くに、用の写真を撮って誰かへ送る。もなく彼のスマートフォンに《今回も評価Aだな》という返信が表示され、彼は満そうに元を緩めた。
胸の奥に鈍い痛みはあったが、驚きはなかった。私が徹夜で復旧しても、翌朝には菱田が指示したことになる。その繰り返しが、彼の50万円と私の18万円を正当化してきた。
私は会社の資料を持ちさず、作業管理画面で引き継ぎ対象を確認した。そこにある記録は青葉通信側のサーバーにも同保され、都システム発だけでは変更できない。誰かが私の名を報告から消しても、73件の復旧刻までは消せなかった。
午103分、画面に青葉通信の運用責任者、川真理からメッセージが届いた。
《至急確認したいことがあります。過6かの障害73件を、実際に処理した担当者は誰ですか》
続いて添付されたのは、先ほど田が菱田へ渡したばかりの次報告だった。
そこには、73件すべてを菱田が指揮したと記載されていた。