"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第21話
借取りに追われてに迷えっていうの」
私はデスクから枚のパンフレットを取りし、彼女たちのに投げした。
美咲さんが尋ねる。
「これは、何?」
私は静かに答えた。
「自支援センターの資料です。あなた方がこれまで度もしてこなかったこと。自分ので働いて稼ぐということ。から学ぶ所です。贅沢を捨て質素なアパートにみ、1000円の仕事から始めれば、数かけてしずつ借は返せるでしょう」
美咲さんが絶望な声をげる。
「1000円?そんな、1のランチ代にもならないじゃない」
私はたく言い放つ。
「それが世のの普通なのです。の資産を貪り、嫁というを盾に散財するだけの活は、もう終わったのですよ」
私はちがり、窓の方を向いた。
「警備の方。彼女たちをお連れして、度と私のに姿を見せないでください」
恵子さんと美咲さんは醜い鳴をげる。
「待って。ゆきさん。ゆき様お願い。1000万、いいや、100万でいいから貸して」
は警備員によって引きずりされていった。
ドアが閉まった、内に再び静寂が戻った。
彦が尋ねた。
「けをかけなくて良かったのか」
私は静かに答える。
「けは反省しているにかけるものです。彼女たちは最までおのことしか言わなかった。お義父様がなぜ私にこの役目を託したのか。
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今ならよくわかります。この毒を抜き取らない限り、このの未来はなかったのね」
私はデスクの引きしから、枚の写真を取りした。
私の父、誠と義父が笑っている写真。
その裏に、私はしく自分ので文をき加えた。
『全てをあるべき所へ戻しました』
私は彦を見た。
「お義父様から託されたホワイトリーフは、これからしい歩みを始めます。お義母様が汚した会社のイメージを刷し、私の父がかつて見た誠実な産業としてまれ変わるのです」
私は微笑んだ。
「さて彦さん。最にあの方、お義母様の様子を確認にきましょうか」
彦が頷く。
「ああ。彼女にはまだ、最の清算が残っているからな」
私は彦と共にオフィスをた。
物質な喪失だけではない。
精神な完全な敗を彼女にらしめるための最のだった。
病院の般病棟。
その片隅にあるナースステーションの脇で、私はの老女が力なく子に座り込んでいるのを見つけた。
かつて級ブランドの着物にを包み、顎でを使い、私を無文のと蔑んでいた義母、苗さんの面はそこには微もなかった。
売で買った物の寝巻きを羽織り、髪は乱れ、虚空を見つめるその姿は、ただの居所を失った老そのものだった。
私が声をかける。
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「お義母様」
苗さんはビクッと肩を揺らし、ゆっくりと顔をげた。
私の姿を認識した瞬、その濁った瞳にすがりつくような、それでいて恐怖に満ちたが混じる。
「ゆきさん……ああ、ゆきさん。助けて。助けてちょうだい」
苗さんの声は震えていた。
「あの子たちが、恵子さんと美咲さんがひどいのよ。あの子たち私に隠し財産があるって言い張って、私の鞄をひっくり返して。何もないってわかると、役たずのババアなんて暴言を吐いて、私をここに置きりにしたのよ」
苗さんは泣き崩れる。
「16億円のも10億円のもあげたのに。どうして、どうしてこんなことに」
私は淡な目で彼女の涙を見つめた。
「お義母様、それは私に言うことではありません。16億円のを引き継いだ恵子さんと10億円のを引き継いだ美咲さん、財産をもらった方に今の介護も治療費も頼んでくださいと申しげたはずです」
苗さんはすがりつくように言う。
「そんなこと言わないで。ああ、分かっているわ。私があのあなたをだなんて言ったのが違いだったのよ。あなたこそががの本当の救世主だったのに」
苗さんはついにに膝をつき、私の元で泣き崩れた。
病院の廊を通る々が何事かとこちらを振り返るが、私は構わずに続けた。
「いいえ。
あなたが私をと呼んだあの瞬、佐藤の空気は確かに凍りつきました。でもその瞬に救われたのは私の方だったのです。