"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第20話
「さようなら、お義母様。もうお会いすることはありません」
病のでは恵子さんと美咲さんの罵倒と、苗さんの力ない鳴が混じりい、獄のような喧騒が続いていた。
廊にると、そこには彦が待っていた。
彦が私を迎える。
「終わったよ、彦さん」
「ああ、お疲れ様。ゆき。さあ、俺たちの本当の活を始めよう」
彦のを握りしめながら、私は病院をにした。
空は驚くほど青く、澄み渡っていた。
私の背負っていたい荷物は、ようやく全てあるべき所へと置かれたのだ。
しかし、物語にはまだ凄惨な続きがあった。
自業自得という名の終末が、彼女たちをどのような結末へ導くのか。
数、私は自分のオフィスにいた。
かつて義父が守り抜き、今は私が代表を務めるホワイトリーフの社だ。
きな窓からは、午の柔らかなが差し込んでいる。
夫の彦が束の資料を机のに置いた。
「ゆき、これで全ての類がったよ。佐藤に関わる全ての産の売却及び負債の処理に関する最終報告だ」
私は資料をめくった。
「お義父様が仕掛けた罠は、完璧だったわね。まさかあの豪邸とが、ここまで徹底に計算されたものだったなんて」
資料には驚くべき数字が並んでいる。
16億円の価値があるとされたは、登記簿の瑕疵と過の巨額な未払い税、さらには違法建築部分の正勧告により価値はほぼゼロ。
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それどころか維持するだけで毎数万円の損失がる負債の塊と化していた。
10億円のも同様である。
彦が静かに告げた。
「兄貴たちは拘置所のでようやく現実をったらしい。奪ったとっていた財産が、実は自分たちを破滅させるための限爆弾だったと気づいて今更泣き言を言っているそうだよ」
男の健さんと男の夫さんは横領と脱税の罪で起訴が確定し、実刑を免れない状況である。
彼らがこれまで築きげてきた位も名誉も、瞬にして無に帰した。
その、オフィスの受付から内線話が鳴った。
「社。佐藤恵子様と佐藤美咲様とおっしゃる方が、アポイントなしでお見えです。非常に混乱されており、どうしても社に会わせろと」
私は彦と顔を見わせ、さく頷いた。
「通して差しげて。ただし、警備員を同席させてね」
数分、社のなドアがき、の女性がなだれ込んできた。
数までの華やかなブランド品にを包んだセレブの面はどこにもない。
恵子さんは髪が乱れ、美咲さんは化粧も剥げ落ちたひどい顔をしていた。
恵子さんが私のデスクのに膝をつき、に額を擦りつけた。
「ゆきさん、お願い助けて。助けてちょうだい。あのもうめなくなったの。気もガスも止められて。
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今ついに制退を命じられたわ。くところがないのよ。あなたが買ったあのマンションのでもいい。どこかませて」
美咲さんも涙を流しながら叫ぶ。
「そうよ。ゆきさん、私たち親戚じゃない。棒なんて言って悪かったわ。全部お義母様にそそのかされたのよ。私たちは被害者なの」
私は静かに子に座ったまま、彼女たちをたく見ろした。
「親戚?お義母様があの病で私をと呼び、財産を渡さないと宣言した、あなた方はそれを笑って見ていましたよね。その、あなた方は自らので私との縁を切り捨てたのです」
恵子さんが弁する。
「そ、それはあのはお義母様が怖くて……」
私は首を横に振った。
「いいえ。怖かったのではなく、欲しかったのでしょう。私を排除すれば自分たちの取り分が増える。そう確信していたからこそ、あんなに嬉しそうに私を侮辱した。違いますか」
私の問いかけに、は言葉を詰まらせた。
私は淡々と告げる。
「残ですが救済の余はありません。あなた方が引き継いだあのとの負債。それはあなた方が自分のものだと主張して相続続きをめた結果です。法には、あなた方個が返済の義務を負っています。私の会社がそれを肩代わりする義理は1円分もありません」
恵子さんが叫んだ。
「そんな。じゃあ私たちはどうすればいいのよ。