"乳がん手術日にゴルフへ行った夫の末路" 第17話
「じゃあ、言えばよかったよね」
私は声を荒げなかった。
「妻が術なのでけませんって、言で済んだよね」
私は静に告げる。
「断れなかったんじゃなくて、断る気がなかったんでしょう」
啓介は完全に黙った。
私はそのまま続けた。
「退院したのことも覚えてる。に帰って私が玄関で壁にをついていた、あなたは凍庫をけてた」
彼を見据える。
「鶏肉を探してこう言ったよね」
私は拍置いた。
「今、唐揚げいける?」
「あ、悪気があって言ったわけじゃ……」
「そうだろうね」
私はく言った。
「悪気がないことと、優しさがあることは違うよ」
啓介は目を伏せた。
「優馬が怪したのことも、私は忘れてない」
私は言葉をねる。
「保育園から話が来た。額を切ったって。私は仕事を抜けて1で迎えにって、1で病院に連れてった。あなたは既読だけだった」
「会議だったんだよ」
「返事はなかった。帰ってきて言ったのは、『したことなくてよかったじゃん』」
啓介の肩がわずかに落ちた。
「私はあので分かった」
言い切る。
「このは私だけじゃなくて、優馬のことも守らないんだって」
啓介はソファーにく沈んだまま、何も言えなかった。
しばらくして、ようやくをいた。
「なんで今になって、そんな話持ちしてどうしたいんだよ」
私は啓介を見た。
「どうしたいかは、もう決めてある」
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「決めてあるって、何が?」
「私のでは、もう終わってる」
啓介の眉が寄った。
「終わってるって、何が?」
夫婦が、部が、静かとした。
「婚ってこと?」
「うん」
その言で、啓介の顔が変わった。
「ちょっと待ってよ」
声がはっきりと焦っていた。
「俺、来週なんだぞ」
彼はすがるように言う。
「そんなにこういう話するか、普通」
「私もそうったよ」
私はややかに言う。
「術ののに仕事が入ったって言われた」
啓介は言葉を失った。
「こんなにそういう話するか、って私もった」
私は続ける。
「でも、私はみ込んだ」
私は1つずつ言葉を置いた。
「今じゃないって。術のだからって。退院してからにしようって。何度もそうやってみ込んできた」
啓介はじっと私を見ていた。
「もうみ込まない」
「待ってくれよ」
初めて。
確にい声だった。
「退院してから話そう。ちゃんと話そう」
「もう、話しいの段階じゃない」
「なんでだよ」
「準備が終わってるから」
啓介の表が止まった。
「準備」
「む所も決めてある。必な続きも調べてある」
私は宣言する。
「弁護士にも相談してある」
そこで啓介は、初めて本気で焦った顔をした。
「弁護士」
「、正式にお願いする」
「ちょっと待てって」
ソファーからちがりかけて、また座り直した。
元が落ち着かないみたいに、膝が揺れていた。
「そこまでの話だったのかよ」
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「あなたがってるより、ずっとからね」
「全然、らなかった」
「そうだろうね」
私は淡々と言った。
「あなたは見てたつもりで、何も見てなかった。押し入れのダンボールが減っても気づかなかった。洗面所のタオルが減っても気づかなかった」
私は責めるように言う。
「私が夜に何度も起きてノートに数字をいてても気づかなかった。優馬の靴のサイズもらなかった。保育園の持ち物も分からなかった。私がどれだけ静かに消耗してたかも、らなかった」
啓介は唇を結んだまま、何も言えなかった。
「レシートを見つけたも、私はすぐには何も言わなかった。像できる言い訳を聞く気にもなれなかったし、そのも何も変わらなかったから」
私は線を逸らさなかった。
「み会を1回断っただけで、気を使ってるって言った。優馬のお呂を頼んだら、スマホいじって15分かなかった。私が代わりに入れたらサンキューって言った」
次々と事実を並べる。
「噌汁がいって言った」
彼を見据える。
「買っとけばいいのにって言った」
そこまで言って、啓介はとうとう両で顔を覆った。
「全部、覚えてたのか?」
「忘れられるとってた?」
啓介は答えなかった。
「あなたが忘れることを、私は全部覚えてた。ずっとね」
啓介はで顔を覆ったまま、絞りすように言った。
「俺が術終わるまで待てないのかよ」
私はその顔を見た。
「私は待ったよ」
部の空気がまた止まった。
「術のも、退院のも、優馬が怪したも。