"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第25話
ショーケースのの宝でも見つけたように目を輝かせた。
「あ、あれみさきさんの?」
桜はちがり、を伸ばそうとした。
「あんな乗ってるんだ。かっこいい」
私は彼女より歩くいた。
鍵に触れさせなかった。
「あれは子供を病院へ連れてくためのよ。見るだけにしてね」
桜は吹きした。
「もう、くらいでげさな」
彼女は軽く言う。
「今夜回り乗るだけですよ。友達の誕に、お兄ちゃんたちのでけば見栄えがいいでしょう。軽自のレンタカーでくなんてダサいし」
義母がすかさずを挟んできた。
「いいじゃないか。貸してやりなさいよ」
義母はけしかける。
「たかがじゃないか。内なんだから」
も易に同調した。
「ああ、し貸すくらいどってことないだろう」
私はの目をまっすぐに見た。
部の空気が、音楽が止まったように凍りついた。
桜は目を丸くした。
「ええ、みさきさん、なんで?」
私は声を荒げず、はっきりと言った。
「貸さないわ」
理由を告げる。
「子供がまださいし、は万がのの備えよ。それにあなたに運転させるのはだわ」
桜は唇を歪めた。
「って何よ、ちゃんと免許は持ってるわよ」
私は頷いた。
「免許を持っているからと言って、を貸す義務はないわ」
義母が湯呑みを机に叩きつけるように置いた。
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乾いた音が響いた。
「みさきさん、の狭いことを言うんじゃないよ」
彼女は私を睨む。
「義理の妹がしを借りるくらいで、どうしてそんなにムキになるんだい」
私は義母の方を向いた。
礼儀正しさは保ちつつも、毅然と答えた。
「お義母様、が狭いのではありません。私と子供の全を守っているだけです」
義母は顎を突きした。
「全って、田舎じゃ軽に34乗るの平気なんだよ」
彼女はを鳴らす。
「あんたは都会で贅沢に暮らしすぎて、自分のものをし惜しみするようになったんだね」
し惜しみというレッテルを貼られた。
義母と桜の目には、私の断りが自分たちへの侮辱だと映っているようだった。
桜は笑し、を差しした。
「もう、鍵貸してくださいよ」
彼女は求する。
「し乗るだけなんだから。雰囲気を壊さないで」
私は鍵を着のポケットの奥にしまい込んだ。
言だけ告げた。
「貸さないと言ったはずよ」
空気が張り詰めた。
が顔をしかめて言った。
「みさき、何やってんだよ。母さんも桜もちゃんと話してるだろう」
私は彼を見た。
たった1つの問いを投げかけた。
「ちゃんとした話って何?」
彼を見据える。
「まれたばかりの子供がいるのに、妻のを勝に持っていこうとすることが?」
は言葉に詰まった。
どうにかを収めようとした。
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「したことじゃないだろう。今夜借りて返すだけなんだから」
私は回しな議論を避け、核を突いた。
「さん、あのの名義は誰?」
が瞬きをするに、義母が割って入った。
「誰の名義だろうと、のものだろう」
私は義母に向かってゆっくりと言った。
「お義母様、言葉は聞き飽きました」
はっきりと告げる。
「のものだと言うなら、誰が々の支払いをし、誰が保険料を払い、もし事故が起きたに誰が警察の対応をして責任を取るんですか?」
義母を見る。
「もし今夜何かあれば、類にサインして責任を負うのは私です」
桜はを尖らせた。
「ひどい言い方。わざと呪ってるみたい」
私は答えた。
「呪っているわけじゃない。最悪の事態を定しているだけよ」
桜を見る。
「さな子供を持つ母親に、先考えないは許されないの」
すると義母は戦法を変え、私の尊厳を攻撃し始めた。
「あんたは自分でおを稼げるからって、夫の族を見してるんだね」
義母は睨みつける。
「はっきり言うけど、あんたを嫁にもらってやったのに、そんなに物を独り占めするなら、どうやって嫁を務める気?」
見しているという言葉を聞いて、私はし胸が詰まった。
だがこれを醜い論にするつもりはない。
ただ、適切な所で終わらせたいだけだ。
私は文字ずつはっきりと言った。
「誰も見してなんかいません。ただ、誰にも私を見させないだけです」
がちがり、私にづいてい声で凄んだ。