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"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第11話

数字は媚を売ることも、恐れることもないからだ。

そののお昼、私はいつもの社員堂にはかなかった。

会社のくにある定き、魚の煮付けとお浸しを頼んだ。

昔からある馴染みのあるだ。

それをべながら、息苦しい来事の狭しだけ呼吸が楽になるのをじた。

べ終わってから10分ほど席に残った。

携帯話を取りした。

計の支を追跡するために使っている座のきを確認する。

画面をく。

私は夫のを監するような妻ではない。

だが、おきは活の根幹に関わる。

その根幹を握っておかないと、痛みがに原因すら分からなくなる。

の取引記録を1つずつ確認していった。

料を受け取ったばかりで、入の数字は綺麗に並んでいる。

そして彼が宣言した通り、その数には「母へ」という簡潔な名目で送われていた。

詳細を押しく。

刻は1942分。

つまり、あの夜、私の目ので親孝を宣言した直に送されたのだ。

そこから実座の取引記録をたどる。

普通の目で見れば、ここで確かにお母さんに届いていると信じて終わるだろう。

だが私の仕事は、数字の裏に隠されたものを見抜くことだ。

私は、20分も経たないうちにわれた別の送記録を見つけた。

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届いたばかりのが、ほぼそのまま引きされている。

受け取りの名は「黒田ヤ」。

名目はただ1文字「返済」。

そのたった文字が、い棺の蓋が閉まる音のように響いた。

私は背筋を伸ばした。

臓の鼓は速くならなかったが、背たくなるのをじた。

薬代や修繕、法事といった常の支で、見らぬ名きなお括で返済することなどあり得ない。

返済の裏には必ず借があり、借というものは決して穏やかな事ではない。

私は画面を複写して保した。

さらにもう1つ作業をした。

額、受け取りの名を、携帯の別の記録帳にき移した。

仕事の癖だ。

いざという、このたった1が決定な証拠になる。

しかし「黒田ヤ」という名だけでは、証拠として分だ。

に帰り、騒ぎするわけにはいかない。

蛇を打つならを叩けと言う。

だが、まともな話しいをするためにはまともな報が必だ。

私はのリスク管理部で働く、古い友のゆり先輩に文通信を送った。

彼女は私よりいくつかで、物言いは率直だが非常に頼りになるだ。

『先輩、ちょっとお聞きしたいのですが、黒田ヤという名当たりはありませんか?』

『実の取引記録に、自然な形でてきたんです』

返事はかった。

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『フルネームと体の域を教えて。夜までに調べられるか見てみる』

15分、ゆり先輩から話がかかってきた。

彼女の声に冗談のはなかった。

「みさきちゃん、これ本気で聞いてるの?」

私は答えた。

「本気です」

先輩は息を吐いた。

「その名、過に警戒リストで見たことがあるわ」

先輩は声を潜める。

「まともな事業体じゃない。いわゆる悪質な取りて業者ね」

先輩の言葉が刺さる。

「田舎の方では、とか呼ばれる類」

私は黙り込んだ。

で「親孝」という文字が線で消された。

代わりに「資洗浄」という言葉が浮かんだ。

「何に巻き込まれたの?」

先輩が聞いた。

私は詳しく語らず、端に答えた。

「夫が義母に仕送りをしたら、そのおがすぐにその物へ返済として流れていました」

私は事実を告げる。

「そして今、義母からさらに25万円の追加求があったんです」

ゆり先輩は拍置いた。

員らしい徹な声で言った。

「そういうおの流れは、利息の支払いや借の穴埋めよ」

先輩は忠告する。

「悪質な業者にしたら、決して終わりはないわ。気をつけて」

お礼を言って話を切った。

携帯を持ったまま、会社の窓から庭を見ろした。

誰もが忙しそうに歩き回っている。

急に皮肉な笑いが込みげてきた。

は目標達成のために奔しているというのに。

私は自分のが壊れないよう、必に防線を張っているのだから。

席に戻ったが、もはや顧客の数字に識を集することはできなかった。

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