"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第3話
「もしのおだと言うなら」
私は彼を観察した。
「どうしてあなたは、自分のために3万円だけを確保するの?」
彼の線がしだけ泳いだ。
「そして、にかかる残りのおを、全て私に丸投げするの?」
は言葉に詰まった。
点を突かれたのように、をいてはまた閉じた。
その目には、らかな苛ちが浮かんでいた。
自分が素らしいことをしているという陶酔。
それを、私が打ち砕いたのだと分かった。
は箸を机に突きてた。
そしてがって言った。
「俺はもう決めたんだ」
彼は顔を背けた。
「これ以、俺を困らせないでくれ」
私は静かに頷いた。
のにあるのは、りの炎ではない。
輪郭のはっきりした、たい氷のようなだった。
ふと、昔聞いた言葉をいした。
内同士で争うのは愚かだ。
しかし、同じにんでいても、片方が自分の勝な理屈を押し付ける。
そしてもう片方をただの掃除夫だと見なすなら、争いは起きるものだ。
私は微かに微笑んだ。
あまりに礼儀正しい微笑みだった。
そのため、彼は私が折れたのだと勘違いしたようだった。
「分かったわ」
私は落ち着いた声で言った。
「あなたがそう決めたなら、私もそれに従う」
は肩の荷がりたように息を吐いた。
彼はすぐにお箸を持った。
「今の煮付け、うまいな」
彼は嫌よく、褒め言葉までにした。
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私は何も答えなかった。
数だけべて、静かに席をった。
器をまとめ、片付けを始めた。
私ののでは、いくつもの数字がい列を作って流れていた。
私は復讐を好むではない。
しかし、私は監査を仕事にしているだ。
危険を見つけたら、それを制御しなければならない。
窓のでは、まだがポツポツとっている。
の灯りが、濡れた窓枠に滲んでいた。
私は器を洗った。
流れるの音を聞きながら、私のは異常なほど冴え渡っていた。
こういう、すぐに答えをすればどうなるか。
彼らの物語のでは、私が親孝な嫁に仕てげられるだけだ。
がいた脚本ので、悪役を演じるつもりはない。
私は、彼がさっきにした言葉そのものを使うことにした。
その言葉を使って、規則を変えることに決めた。
私は流し台から背を向けた。
居で携帯話をいじっているを見た。
商談をまとめた直のような、し切った背だった。
私は最終報告をまとめるのように、ので静かに呟いた。
誰が管理しても同じだと言ったわね。
私は彼を見つめる。
ならから、それがどういうことかを教えてあげる。
翌朝。
私が目を覚ました、空はすでにるかった。
寝過ごしたわけではない。
図に目覚まし計を鳴らさなかったのだ。
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部は静かだった。
のだけが、定の音をてている。
のは、すでにがっていた。
私は布団から抜けした。
真っ直ぐに洗面所へ向かう。
温かいお湯が肩を流れる。
自分のが議な状態にあるのをじた。
得でもなく、しくもない。
ただ、計の刻な赤字をずっと自分1で埋めわせていたことに気づいた。
そののような、静かな覚だけがあった。
私は支度をえた。
清潔な仕事着に着替える。
く化粧をして、台所のを通りすぎた。
戸棚はけない。
お米も研がない。
もつけない。
仕事用の鞄を取った。
携帯話を確認し、そのまま玄関へ向かった。
その、が寝から顔をした。
髪は寝癖でねている。
着替えも終わっていなかった。
彼は目をこすりながら、見慣れたものを探すように辺りを見回した。
「まだ朝ご飯作ってないのか?」
寝起きの声には、すでに非難のが混じっていた。
私は靴を履いた。
彼を振り返り、平然と答えた。
「私はでべるわ」
のきが止まった。
「じゃあ俺は何をべるんだ?」
私は1秒だけ彼を見た。
目を逸らしもせず、声を荒げることもなく言った。
「自分で計算してね」
私は靴の踵をえた。
「あなたのおは、あなたが管理しているんだから」
は言葉を失った。
そのにち尽くしていた。
やがて彼は子を引き、台所の戸棚を乱暴にけ閉めし始めた。
器がぶつかる音が響く。
扉がバタバタと閉まる音が続く。