"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第2話
それを気にみ干す。
彼はまるで演説でもするかのように、誇らしげに言った。
「50万円だ」
私ののには、瞬にいくつもの数字が浮かんだ。
宅の分割払い。
管理費、費、費、庫代、そして貯。
私がのでびを噛みしめるはなかった。
は机に両をついた。
そして、もったいぶって言った。
「計算したんだ」
彼は私の目を見た。
「今から、母さんには47万円を送ることにするよ」
私はそのにち尽くした。
にしていたお玉がピタリと止まる。
お噌汁のりが、台所にふわりと漂っていた。
聞き違いだとった。
「いくらって言った?」
私はできるだけ普段通りの声で聞き返した。
「47万円だ」
は得げに言った。
彼は私が理解していないとでも言うように、1文字ずつ区切って言った。
「母さんも田舎でを取ったし、薬代もかかる」
彼はもっともらしい理由を並べる。
「のこともあるし、子供として親孝するのは当然だろう」
私はお玉を置いた。
そして、ゆっくりと卓へと歩み寄った。
すぐには座らなかった。
私は報告の自然な項目を見つけると同じ目つきになった。
の目をまっすぐに見つめる。
「それなら、あなたはいくら元に残すの?」
私は静かに尋ねた。
はあっけらかんと答えた。
「3万円だ」
私はゆっくりと頷いた。
彼の顔から線をさない。
広告
「あなたの個なお遣いが、3万円」
「ああ」
は得げに顎をげた。
「俺だってお茶代やの燃料代、付きいのおが必だからな」
私はさらに問いかけた。
声はあくまで平坦だった。
「じゃあの支払い、費、費、管理費、それに宅の分割払いはどう分担するの?」
は面倒くさそうにを振った。
まるで物を売るような調で言った。
「君が払えばいいじゃないか」
彼は私の顔を見た。
「君の方が料がいんだし。夫婦なんだから、誰が管理しても同じだろう」
彼は自分の言葉に酔っているようだった。
「母さんがぶなら、それでいいんだよ」
その言葉が卓に落ちた瞬だった。
私の胸の奥で、さな鍵が逆方向に回るようなカチりという音がした。
これは親孝なんかじゃない。
彼が自分の見栄のために、がの資産を故に毀損させようとしているだけだ。
私はを爆発させる性格ではない。
事に声をげるような真似もしない。
だが、彼がにしている親孝のを理解した。
それはもはや本当の親孝ではない。
私の労働と資を使って、自分自の体面を保つための見世物でしかない。
私はその事実を、はっきりと悟った。
私は子を引いて座った。
は私が彼を褒めるとでもったのだろうか。
満げな笑みを浮かべていた。
広告
「どうだ?理な計算だろう」
彼は同を求めるように聞いた。
私は彼のご飯をよそった。
それを彼の目のに静かに置く。
私は議事録を読みげるような定の声で言った。
「あなたは昇した」
彼の目を見据える。
「本来なら、私たちの活がし楽になるはずよね」
私はゆっくりとまばたきをした。
「でもあなたは、その負担を全て私に押し付けている」
私は元の箸に線を落とした。
「そしてそれを、誰が管理しても同じと呼んでいるのね」
は眉をひそめた。
満そうに私を睨む。
「なんだよ。言い方がきついな」
私は彼を見た。
そして、卓を見た。
どの料理も温かく、美しそうなりを漂わせている。
全て私が台所にって作ったものだ。
ふと、この景が料理のそれにそっくりだとえた。
おかしな気分になった。
私が作り、私が配膳し、私が代を払う。
そしてべる側は、説教をしながら箸をめるのだ。
私はお箸を置いた。
ゆっくりとをいた。
「親孝を邪魔する気はないわ」
彼の目を真っ直ぐに見る。
「ただ確認したいの」
声のトーンをしだけげた。
「あなたは自分のおで義母さんをばせたいの?」
しだけ首を傾げる。
「それとも、私のおでばせたいの?」
は途端に声を荒げた。
「どっちのおものおだろう」
彼は机を軽く叩いた。
「夫婦でそんな計算をするのか」
私は反論しなかった。
ただが吹き抜けるような、軽い声で1つだけ問いかけた。