"千五百円の仕送りと暴かれた嘘" 第12話
バサリとい音が響く。 「直太さん、このヶの、あなたの辺調査報告よ。どうぞ、ご自分の目でじっくりとご覧になって」
封筒のから引きされた類の表には、直太の顔写真と、興信所の透かしが入っていた。 「な……なんだ、これは……ま、まさか……」 直太の顔から血の気が瞬にして引き、気へと変わった。震える指先で類をめくると、そこには言い逃れのしようがない鮮なカラー写真の数々が並んでいた。 シティホテルのエントランスで、自分の娘ほどのれた若い女の腰を抱き寄せる直太の姿。 ブランドショップので、袋を両に抱えて甘える女のを撫でる直太の笑顔。 旅館の呂付き客へで入っていく決定な瞬――。
「き、気づいていたのか……」 直太のから報告が滑り落ち、に散らばった。 直太の膝がガクガクと震え、やがて力なくそのに崩れ落ちた。 企業の部としての威厳も、の主としての傲さも、跡形もなく消えっていた。
だが、登美の断罪はまだ終わらない。 「あなたの隠し座のをったその、私はあなたの会社の事課にも話をかけさせてもらったわ」 からややかにり注ぐ登美の声に、直太はビクッと肩をねがらせた。 「事部が、毎のように泊まりがけの方張にく理由を尋ねるためにね。
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そうしたら、話の担当者に笑われてしまったわ。『事部に張などありません』ってね」 「そ、それは……」 「張費がりないから自腹を切っている、計が苦しいからパートにてくれ……よくもまあ、そんな嘘を平然と吐けたものね! から持ちした張費も、私がレジ打ちで必に稼いだ活費の補填も、すべてはその女とホテルに泊まるための資だったわけだ!」
直太は両でスウェットの太ももをく握りしめ、脂汗をポタポタとフローリングに滴らせながら、ただただ俯いていた。 「私やリリカには『誰のおかげで飯がえているんだ』と威張り散らしていた男が、若い女のでは尻尾を振ってを貢ぐATM……傑作ね。これが、あなたの誇る『亭主関』の正体なの?」
登美の容赦のない皮肉が、直太のプライドを々に打ち砕いた。 直太は握りしめていたを緩めると、そのままに両をつき、額をフローリングに激しく擦り付けた。 完璧な、座の姿勢だった。
「すまなかった……!」 掠れた、けない声がから響いた。 登美は仁王ちのまま、その頂部をたく見ろした。 「何がすまなかったの? 主語と述語が分よ。国語教師の娘に向かって曖昧な謝罪をしないでちょうだい」 「……すみません! 倫をしていました……!」
ポケットののスマートフォンが、直太の決定な自を確実に記録した。
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登美はので拳を固く握りしめた。
「言い訳を聞かせてもらいましょうか。どうしてこんなことをしたの?」 登美の促しに、直太は額をに擦り付けたまま、途切れ途切れに状し始めた。 「……の、彼女が卒で配属されてきたんだ。親子ほどのれた若い娘だったが……俺のことを『部、素敵ですね』『頼りになります』と持ちげてくれて……すっかりいがってしまったんだ。まるで青を取り戻したかのように、が浮きって……恋に落ちてしまったんだよ」
登美は乾いた笑いを漏らした。 妻と娘を犠牲にしておいて、「恋に落ちた」だと? よくもそんな恥らずな言葉を、数連れ添った妻ので吐けたものだ。 「それで? 彼女の気を引くために、が必になったわけね」 「ああ……最初は事をご馳するくらいだったんだ。だが、彼女が『あのバッグがい』『今度の連休は温泉にきたい』とねだるようになって……見栄を張りたくて、断れなかったんだ。求される額はどんどんねがっていって……」 「それで、リリカの留学に目をつけたのね?」
直太は肩を震わせ、苦悶の表で頷いた。 「リリカが留学したいと言いした……渡りにだとってしまったんだ。留学を実にすれば、まとまったをかしても怪しまれない。おもパートにて計を支えてくれると言ったし、浮いたと仕送りの半を彼女のために使えると……それで、おに内緒で座を作ったんだ……」