"千五百円の仕送りと暴かれた嘘" 第8話
本を発って半。現の活に慣れるのに必だったのだろう、メールやいメッセージのやり取りはあったものの、まとまった況を伝えるが届いたのはこれが初めてだった。
本来であれば、夜に直太が帰宅してから族揃って封すべきなのかもしれない。 しかし、登美はする娘がい異国のでどのような々を送っているのか、居てもってもいられなくなり、玄関先でコートを脱ぐのももどかしく、ペーパーナイフで封を切った。
そして――冒の景へと繋がるのである。
『お母さん、元気にしてる? 仕送りありがとう。毎千百円の仕送りでも、なんとか恵を絞って頑張ってるよ。おかげでスクランブルエッグの加減がめちゃくちゃ達しました。この仕送りがなかったら、いよいよもやし活になるところだったよ』
便箋から滑り落ちた写真には、質素極まりない皿と、力なく微笑むリリカの姿。 登美のは真っになった。 毎、直太が「会社の昼休みにへ寄って続きを済ませておく」と言って引き受けていた、万円の送。 なぜ、万円が千百円になるのか。
震えるで国際話をかけ、リリカを問い詰めたものの、娘は「座は誰にも教えていない」「でも……」と言い澱んだ末に、「ルームメイトが帰ってきた」
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と自然に通話を切ってしまった。 何かが起きている。それも、登美の像を絶するような卑劣な何かが。
そのの夜、登美は帰宅した直太に、と写真を突きつけて詰め寄った。 「直太さん、これを見て! 今、リリカから届いたよ! あの子、毎千百円しか届いてないって言ってるの! 万円を送しているはずなのに、どうしてこんなことになるの!?」
だが、直太の反応は、登美の焦燥とはあまりにもかけれていた。 直太はリビングのソファにく腰掛け、ビール缶を片に、テレビ画面に映るプロ野球のナイター継を眺めていた。登美が差ししたを瞥しただけで、線を再びバッターボックスへと戻す。 「どうせ、親元をれた反で派に遊び歩いて、仕送りを使い果たしたんだろう。適当な嘘をついて、追加のを無しようとしているだけだ。あまり気にするな」
登美は息を呑んだ。 「遊び歩いている……? そんなわけないでしょう! この写真を見てよ! 卵つで飢えを凌いでいるような活をしているのよ!? あの子が嘘をつくような子じゃないことくらい、あなたが番よくっているはずじゃない!」 「甘いんだよ、おは」 直太はポテトチップスをに放り込み、ガリガリと音をてて咀嚼した。 「向こうの活がどれだけ派か、らんのか。
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がりなくなったからといって、いちいち騒ぎてるな。これ以、その話題で俺の邪魔をするな。今、いいところなんだ」
直太はテレビのボリュームをリモコンで段階げ、登美を完全にシャットアウトした。 登美は、背筋にたいが滴り落ちるような戦慄を覚えた。 おかしい。あまりにもおかしい。 この男は、かつてリリカがお遣いの数百円の値げを求めただけで、机を叩き割らんばかりに激し、夕飯を週抜きにしたほどの極端な倹約主義者なのだ。その男が、娘が「毎万円の仕送りを使い果たして遊び歩いている」という疑惑をにして、なぜこれほどまでに無関でいられるのか。 普通なら、烈のごとくり狂い、「今すぐ本に連れ戻せ」「円も送るな」と喚き散らすはずではないか。
娘の怯えるような話の態度。 自然極まりない夫の反応。 そして、あの融関のロゴが入ったボールペン――。
点と点が、登美のので急速に本の気な線を描き始めていた。 (これは……徹底に調べなければならない。この男は、私とリリカに、取り返しのつかない嘘をついている……!)
翌朝、直太が勤するのを見送った瞬、登美はを始した。 向かったのは、がのメインバンクであり、直太がリリカへの仕送りを続きしているはずの都の支だった。
番号札を引き、案内された個別相談ブースの子に腰掛けた登美は、持参した戸籍謄本、夫婦の共座の通帳、そして自分の分証を員に提示した。