"毎日1センチ狭くなる庭" 第7話
デスクのには散らかった類や領収が乱雑に置かれていた。私はを決し、引きしをけてを捜索し始めた。
すると、張のはずだった昨の付の領収がてきた。 「阪駅」の文字などどこにもない。そこにあったのは、この町からで15分ほどれた所にある、ローソンのレシートだった。発刻は昨夜の2342分。
健太は、阪になどっていない。ずっとこの町のくにいたのだ。 そして夜、隣の野寺のに入り、庭で杭を沈める老を2階の窓から見ろしていた。
「体……何なの、これ……」
そのの夜、8過ぎ。健太が何わぬ顔で帰宅した。 「あー疲れた! 阪の張は移だけで嫌になるな」 スーツケースを玄関に放り投げ、リビングに入ってきた健太は、そう言ってソファに々と体を沈めた。
その々しい演技を見つめながら、私はえ切った声で問いかけた。 「阪、楽しかった?」
「は? 遊びでってんじゃないんだよ。仕事だよ仕事。美咲はいいよな、で呑気に過ごしてればいいんだから」 健太はスマホをいじりながら、で笑った。
私はポケットから、昼見つけたレシートを取りし、テーブルのに叩きつけた。
「じゃあこれは何? 昨の夜23、隣町のコンビニで何買ってたの?」
健太のスマホを操作するが、ぴたりと止まった。 目を見き、レシートと私を交互に見比べる。
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瞬、揺のがその顔を掠めたが、すぐに居直ったような苦々しい表に変わった。
「……チッ、何勝にの財布や部を漁ってんだよ。プライバシー侵害だぞ」
「張って嘘ついて、どこにいたの? なんで隣の野寺さんのにいたの!?」
「野寺の!?」 健太はね起きるようにちがり、私を睨みつけた。 「お、いい加減にしろよ! ついにがおかしくなったのか!? なんで俺があんな気の悪いジジイのにかなきゃならないんだよ!」
「見たのよ! 防犯カメラに映ってた! 昨の夜、杭が全部に沈んだ、野寺さんのの2階から庭を見てたのはあなたでしょ!?」
私が叫ぶと、健太の顔がスッと変わった。りではなく、底れない酷さがその瞳に宿った。
「……防犯カメラ?」 健太はい声で呟いた。 「お……勝にカメラなんて仕掛けたのか?」
「答えてよ! なんで嘘をついて隣のにいたの!? あなた、何か隠してるでしょ! このを買っただって、私の独代の貯を全部させたのに……!」
健太は私との距を詰め、から押し潰すように私を見ろした。そのから吐きされたのは、あまりにも酷な言葉だった。
「黙れよ、専業主婦のくせに」
「……え?」
「俺が稼いだでわせてやってるんだ。俺がどこで何しようが、おに関係ないだろ。毎毎、隣のジジイの杭だのカメラだの……の狂ったヒステリー女と緒にいるこっちのにもなってみろよ」
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健太は私の腕をく掴むと、力任せに突き放した。私はよろめき、テーブルの角に腰をく打ちつけた。
「いいか、美咲。これ以俺のを探るような真似をしてみろ。そのは婚だ。おみたいな無職の女、追いしてに迷わせてやるからな」
健太は吐き捨てると、着も脱がずにをびしていった。バタン!とい玄関のドアが閉まる音が、静まり返ったリビングに虚しく響いた。
腰の痛みに耐えながら、私はに蹲った。 涙はなかった。代わりに、胸のでふつふつと黒いが芽えていた。
健太はっている。 こののにある危険も、野寺老が毎朝杭を打つ理由も。 そして健太は、私を助けるどころか、野寺老とグルになって『何か』を隠蔽しようとしている。
私はちがり、腰の痛みも忘れてリビングの窓へと歩み寄った。 はがり始めていた。
で、1025サイクルも8目に入る。 私はもう、被害者のフリをして怯えるのはやめにする。
健太が私を捨てる気なら、私はこので、あの男が隠しているすべてを暴いて引きずりろしてやる。
その、スマホに1通の通が入った。 防犯カメラの体検アラートだった。
画面をくと、のる庭に、再びが映っていた。 今度は野寺老ではない。 に打たれながら、がの庭の『1025-7』の杭のにっていたのは——傘もささずに佇む、夫の健太だった。