"没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄" 第13話
それからヶも経たないあるの午、シオリのスマートフォンにリョウタから鬼気迫る着信が入った。話にると、受話器の向こうから狂乱したリョウタの叫び声が響いてきた。
『どうしよう……彼女がいなくなった……!』
シオリは居のキッチンで茶を淹れながら、平然と返した。
「あっそ」
『真面目に聞けって! 連絡が取れないんだよ! 彼女がんでるマンションにもってみたんだけど、空になってたんだ!』
「だから言ったじゃん」
『何か事件に巻き込まれたのかとって、最初はただ配してたんだ! でも、彼女の勤務先の版社にってみたら……そんな女性は働いてないって言われて……!』
シオリは静かにカップを傾けた。
「私に正体がバレそうだから、焦って逃げたんだろうね。とっとと結婚しようって言ったのもそれか」
リョウタの声は絶望に震えていた。
『それがさ……結婚と共に居への引っ越しをめることにしたんだけど、彼女から「居のを払う必があるから、を預かりたい」って言われたんだ……』
シオリはわずを止めた。
「……まさか、それで渡した?」
『渡した……!』
「バカ……呆れて言葉もないわ」
『だって彼女がもっともらしい説したから! が必だと言われて、つい納得しちゃったんだ……!』
「ま、そりゃ詐欺師だからね」
『おが渡してきた写真は……やっぱり本物だったってことか……?』
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「だからそう言ってんじゃん。あの女のカモはたくさんいたんだよ。……それで、過にもあの女におを渡さなかった?」
リョウタは呻くように答えた。
『……渡した……』
「ご愁傷様」
『「投資をするから自分におを預けろ」って言われて……でも定期にどれくらいおが増えたのか教えてくれてたし、定期に引きすか確認してくれてたから、配はしてなかったんだ……!』
「でも、それを持ち逃げされた」
『ああ……連絡取れないから、そうなる……』
シオリはため息をついた。
「結婚詐欺確定じゃん。被害届せば?」
『やっぱり詐欺なのかな……ひょっこり戻ってこないかな……』
「マンションも引き払ってるのに、そんなわけないでしょ。ノコノコ捕まりに来るわけないじゃん」
『そうなのかな……』
シオリはややかに問いかけた。
「何であんなに頑なに私の言葉を信じなかったの? 普通、おかしいって気づくよ」
受話器の向こうで、リョウタがすすり泣く声が聞こえた。
『俺もよくわからない……分、になってたんだとう。自分の過ちを認めるのが怖かったんだ……』
「私のこと見してたもんね。見してた相から自分の過ちを指摘されても、認められないか。無駄なプライドで事態をより悪化させちゃったね」
『ごめん! 気づくのが遅すぎた! 認めるよ、俺は違ってたって!』
「それで?」
『許してほしい! 俺とやり直して欲しいんだ!』
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シオリは吹きした。
「冗談でしょ。もう婚届はしたし」
『おからしたらふざけるなってうかもしれないが、俺は本気だ! 浮気したことをから悔してる! それに、シオリを事にしなかったことも……できることならやり直したい!』
「復縁しても私にメリットないじゃん。どうせまた浮気するだろうし。浮気って病気だしね」
『度と浮気なんてしない! 誓う! 今回痛い目を見て分かったんだ! 相が既婚者だと分かってるのに関係を持とうとする女なんて、絶対ろくな女じゃないって!』
シオリは酷に言い放った。
「気づくの遅すぎ。……ちなみに、妻がいるくせに浮気する男は、もっとろくなじゃないよ」
『それは……本当に悪かったよ! 反省してる! だから……!』
「無理」
『どうしてもダメか……?』
「ダメだね」
リョウタは絶望に打ちひしがれて叫んだ。
『俺は体どうしたら……何でこんなことになっちゃったんだ……!』
「アホだからに決まってんだろ」
シオリはたく通話を終した。
その、警察の捜査によってリョウタの浮気相は広域指名配され、やがて潜伏先で逮捕された。彼女は百戦錬磨の結婚詐欺師であり、リョウタを含めて以もの被害者から数億円を騙し取っていたという。しかし、騙し取られたはホストクラブや豪遊によって綺麗に消え失せており、リョウタのもとへ戻ってくることは円もなかった。
全財産を失ったリョウタは精神に完全に崩壊し、無気力状態に陥った。