"没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄" 第10話
シャツにがついてるけど、どうしたの?」
リョウタは靴を脱ぎながら、あからさまに揺した笑みを浮かべた。
「? ……あはは! 昨夜のだな。昨夜、同僚とんだでバーにったんだけど、そこで美に話しかけられてさ。しばらく緒に過ごしたんだよね」
シオリは眉をひそめ、シャツの汚れを指でなぞった。
「でも、それだけでがつく?」
「酔った彼女が俺にもたれかかってきたんだよ!」
リョウタは居直るように胸を張った。
「仕方ないから、ホテルまで連れてってあげたんだ。はそのについたんだろう」
シオリの目が鋭く細められた。
「ホテルまで連れてったって……見ずらずの女性を?」
「だって放っておくわけにもいかないだろうが!」
リョウタは苛たしげにを振り回した。
「彼女は酔いつぶれてたんだぞ! あのままにしておいたら、変な男に襲われたかもしれない。女性がどうなってもいいのかよ?」
「そうだけど……ホテルに送っただけなのよね? いかがわしいことは何もなかったのよね?」
「あるわけないだろう!」
リョウタは舌打ちし、着を乱暴にソファへ投げ捨てた。
「しは夫を信用しろよ! 親切にしただけで浮気を疑われないといけないのか? 勘弁しろよ!」
シオリは線を落とし、さく息を吐いた。
「ごめん……になっちゃったの。だって、最私たちすれ違ってない? 緒に過ごすが減ってるよね。
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ので会話も減ってるし……」
「仕方ないだろう! 仕事が忙しいんだから!」
リョウタは蔵庫から缶ビールを取りし、プルタブを乱暴にけた。
「疲れてて、帰ってから会話する気になれないんだよ」
「そっか……」
リョウタはビールを煽ると、シオリをから爪先までたい目で見ろした。
「それに……おの顔を見てるとイライラするんだよな」
シオリは傷ついたように顔をげた。
「え……どうして?」
「何で俺はおと結婚したんだろう? 世のにはもっといい女がいくらでもいるのに。おってだしさ、気がないんだよな。昨夜会った女だってかなり気あってさ。やっぱ女っていうのはああいうのだよなって、改めてったよ。おは女ってジャンルを逸脱してるぞ。自分で分かってないのか?」
鋭い言葉の刃に、シオリは唇を噛み締めた。
「……そこまで言うなら、分かったよ。自分を変える努力をしてみる」
リョウタは嘲笑を浮かべ、リビングをてった。
「おが無駄な努力になりそうだけどな」
それからヶ、シオリは徹底な自己改革に励んだ。事制限とトレーニングをね、メイクやファッションをした。あるの夜、帰宅したリョウタのにち、シオリはし緊張した面持ちで微笑みかけた。
「聞いて。キロも痩せたよ。ダイエット頑張ったの。
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最メイクも変えてみたんだけど、どうかな?」
リョウタはシオリの顔を瞥し、で笑った。
「へへ、全然気づかなかったわ」
「え……」
「てか何なの、お。最髪型も装も変えたけど、気悪いぞ。変なものでもったか?」
シオリの瞳に涙が滲んだ。
「ひどい……そんな言い方ある? 私、自分を変える努力をしたのに。リョウタが私に気がないって言うから頑張ったのに!」
「あはは、そういうことだったの? けども髪型も似ってないんだから、なくないか? ダイエットしてもまだデブだし」
リョウタは缶ビールを片に、蔑むような線をシオリに浴びせた。
「おの顔にるいの着て、まるでチンドンだな。おまけに髪型、芋さが増したし。てか俺、そんな会話のことなんてすっかり忘れてたわ。おとの会話なんてどうでもいい内容だし。お、打ってネジでもんだのかとったわ」
「ひどい……ひどすぎるよ。私は頑張ったのに……」
「いやいや、がもったいないからやめろ」
リョウタは酷に言い放った。
「俺が汗垂らして稼いだを、おごときのイメチェンに使って散財すんなって」
「そんな……」
「おは黙って事だけしてりゃいいんだよ」
シオリは俯き、静かに拳を握りしめた。
「……もういいよ」
「そうか。分かったならよかった」
リョウタは満げに頷き、カバンから帳を取りした。
「度と物の自分に投資するようなこと、やめとけよな。