"没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄" 第6話
「とにかく居所をらせるんだ。体、受験なのに勉しなくていいのか? また成績ががったんだろ。遊ぶのもいいが、勉もしないとに学できないぞ」
『うるさいんだよ! 言われなくてもちゃんとやってるし! 余計なこと言ってる暇があるなら働けよ、この収入のクソ親父!』
突然の罵声に、イチロウは目を瞬かせた。
「収入って……うちはそんな収くないぞ」
『嘘だね! じゃあ何でうちはこんなにしょぼくてボロなんだよ! 友達はみんなめっちゃ綺麗な軒にんでるのに、私だけ恥ずかしくて友達をに呼べないんだからね!』
イチロウは線を落とし、古びた畳の縁を見つめた。胸の痛みを押し殺しながら、静かに言葉を返す。
「そんなにってたのか……それについてはごめん。恥ずかしいいをさせてたなんてらなかったよ。だけどな、現実問題として今は築を建てるほどのはないんだ」
『ほら! やっぱ貧乏じゃん! もっとお持っててカッコいい父親が欲しかったよ。何でお母さんみたいな美と、チー牛親父が結婚できたわけ? マジで釣りってないんだよ。なんかお母さんのみでも握ってんの?』
イチロウは寂しげに元を歪めた。
「まさか。父さんと母さんは普通に恋して結婚したんだよ」
『私だったら絶対にやだ! まずない点で無理ゲーだし!』
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ルカが方にまくしてる息継ぎのに、イチロウは静かに告げた。
「……ルカも母さんから聞いたとうけど、父さんたち、婚することになったから」
話の向こうでルカがを鳴らす気配配がした。
『らしいね。私はお母さんについてくからさ』
「それも聞いたよ。本当にそれでいいんだな?」
『当たりじゃん! あんたについてくわけないし、キモいんだよ!』
イチロウは目を閉じ、静かに問いかけた。
「そうか。俺とれられて嬉しいか?」
『当然! もっとく婚して欲しかったくらい! その歳で妻子に捨てられるなんてダッサ。ま、捨てられても仕方ないけどね、なにえぐいブ男だし!』
容赦のない罵倒に、イチロウは淡々と現実を説いた。
「そうか。おがそれでいいなら俺も構わないけど……応、経済なことも考えてみるんだぞ。母さんもパートはしてるけど、それでも収入は俺の方がいんだ。経済な余裕は今よりないかもしれないぞ」
『それでもお母さんの方がいいし! お母さんは夜遅くまでしても文句言ってこないし、何かと説教してくるあんたと違って自由だもん。てか、加齢臭なしの活とかハッピーすぎ!』
「そうかよ……」
『それに貧乏になるとは限らないしね。お母さんは美だから、きっとまた再婚できるはずだよ。次はイケメン持ちと結婚してもらって贅沢したいなー』
ルカの能気な声を聞きながら、イチロウはので張り詰めていた糸が静かに切れるのをじた。
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「楽しそうで何よりだ。婚したって俺たちの縁は切れないとってたけど……むしろ縁を切った方が良さそうだな」
『だね! あんたとは今すぐにでもになりたいから、縁切りでよろ! てか、あんたが父親とか絶対誰にも言えないし。恥ずかしすぎ!』
「分かったよ。それじゃあ、これからはになろう。今までありがとう。元気でな」
『じゃあね、のおじさん!』
方に通話が切れ、イチロウは静かにスマートフォンを伏せた。翌、婚届が提され、ルカは母親とともにをてった。
それから数のが流れ、イチロウの常が穏やかさを取り戻していたあるの午、に見慣れない番号から着信が入った。応答すると、懐かしくもどこか苛った女の声が響いた。
『お父さん、きてる?』
イチロウは作業していたを止め、怪訝そうに眉を寄せた。
「ルカか。久しぶりだな。ずっと音信通だったのに、どうした?」
『聞いたよ。おじいちゃんくなったんでしょ?』
「ああ、病気でな。墓参りでも来るか?」
ルカはあからさまに嫌悪をわにした。
『は? かないし。お父さんの先祖の墓って奥にあってくの面倒だし、墓になんか用はないんだよね』
「そうか」
『でも、遺産欲しいから実にはくね』
イチロウはを疑った。
「……え、遺産?」
受話器の向こうのルカは、弾んだ声で図々しく言い放った。