"5人目だけが若かった" 第3話
「若い女なんか消えてない」
「そんなはらん」
「よそ者が来た記憶もない」
言葉とは裏腹に、民たちは葬墓について尋ねられると目をそらした。
特に、棺が埋葬にの裏にある祠へ3置かれていたという話になると、会話を打ち切るがかった。
「んだをもう度掘り返したんや。これ以触れば災いが来る」
老の1はそう言ってを閉めた。
別のでも、が棺のを誰が確認したのか尋ねると、女性は顔を変えた。
「もう6のことです。終わったことです」
そのの夕方、田から話が入った。
若い女性のから見つかった黄い布を洗浄したところ、刺繍の部が現れたという。
はすぐに署へ戻った。
透な証拠袋のに、指2本分ほどの布切れが入っていた。部分は腐っていたが、端に赤黒い糸で2つの文字が残っていた。
「青川」
田が言った。
「青川の葬儀式で使った布の部だそうです」
は子に座らず、証拠袋を見つめた。
若い女性は偶然そこへ入り込んだのではない。
誰かが青川の儀式で使う布を、彼女のへ押し込んだ。
そして老たちと同じようにを縛り、黒いを胸に置き、棺のへ入れた。
は1993の者名簿をもう度広げた。
男性2。
女性3。
ところが発見されたのは、男性の老2、女性の老2、そして名の分からない若い女性。
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5目の老が消えている。
その名は、佐々。
70代。
関節を患い、1986の交通事故での腿骨に属プレートを入れる術を受けていた。
だが発見された5体のどこにも、属プレートはなかった。
「入れ替えられている」
が呟いた。
田も黙って頷いた。
誰かが佐々の遺体を棺から取りし、その代わりに若い女性を入れた。
その瞬、事件のは完全に変わった。
奇妙な古い習が砂崩れでしたのではない。
なくとも1の殺被害者がいる。
さらに、もう1の遺体が6方になっている。
は佐々の名の横に赤線を引いた。
犯は、葬儀式の仕組みをっていた。
棺がいつ閉じられ、どこに置かれ、いつへ運ばれるのか。
そして、誰も確認しないがあることまでっていた。
それをらなければ、こんな入れ替えはできない。
翌朝、はの集会所へ民を集めた。
1993にわれた葬の順を、最初から確認するためだった。
その、青川では老のが続いた。
14、63歳の井郎。
321、70歳の林姓の女性。
62、74歳の斎藤裕太。
819、79歳の渡辺姓の女性。
いずれも病気や齢によるで、当の記録に自然な点はなかった。
ところが4目の葬儀が終わった頃から、の老たちので古い噂が広がり始めた。
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同じに5の老がぬと、に災いが集まり、翌は若い者に幸が移る。
昔から青川に残る言い伝えだった。
くの民は最初、真剣に受け取っていなかった。
しかし1013、く胃を患っていた佐々が5目としてくなると、部の老たちはく主張し始めた。
「昔のやり方をせなあかん」
5の者を別々の墓へ置くのではなく、同じ棺にまとめてへ葬る。
を縄でつなぎ、胸に黒いを置き、に貨を入れる。
5つの魂が別々にへ戻らないよう、1つの棺に封じ込めるという迷信だった。
すでに埋葬されていた4の墓を掘り返し、遺骨や残っている遺体を運びした。
最にくなった佐々とわせ、正方形にいきな棺へ収めた。
の向きも決められていた。
、、、。
そして央。
首と首には松脂を染み込ませた麻縄を巻き、胸に黒いを置く。
には「戻るを見つけないように」というで古い貨を入れた。
は現写真と照らしわせた。
致していた。
黒い。
麻縄。
貨。
配置。
若い女性も、老たちと全く同じ順で置かれていた。
犯は遺体を乱暴に投げ入れたのではない。
の方向をそろえ、を縄でつなぎ、胸にまで置いた。
儀式を直接っているの仕業だった。
当のだった佐藤徳夫は、儀式を部へられないよう、すべてだけでったと説した。
葬儀業者も呼ばなかった。