"亡き義母の口座を洗う女" 第3話
だった。
女はATMから吐きされた現と通帳を素くバッグに押し込むと、度も振り返ることなく、再び自ドアをくぐって夜のへと消えていった。
残された私は、ガタガタと震える膝を押さえながら、そのにへたり込みそうになっていた。
んだはずの義母が、きている……?
いや、違う。さっきの女の顔は、横顔だったがハッキリ見えた。義母とは似ても似つかない、頬の痩けた若い女だった。
顔は全くの別。なのに、も、歩き方も、癖も——すべてが「坂本子」そのものだった。
私は逃げるようにコンビニをびし、暗い夜をに物狂いでった。
に戻り、荒い息を吐きながら寝のドアをける。
ベッドのでは、夫の雅志が静かな寝息をてて眠っていた。
その枕元で、充ケーブルに繋がれた雅志のスマートフォンが、暗ので『ブッ』と度だけいバイブレーションと共に怪しくった。
吸い寄せられるように、私はスマホにづいた。
画面に浮かびがっていたのは、ロック画面の通メッセージだった。
『【再・システム】本の定期引(座名義:サカモトカズコ)完。報酬確定しました』
静まり返った部ので、私ののが真っに染まっていった。
第章:暗の画面
暗ので淡く発するスマートフォンの画面。そこに表示された文字を、私は何度も擦りつけるように読み返した。
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『【再・システム】本の定期引(座名義:サカモトカズコ)完。報酬確定しました』
臓がドクン、ドクンと嫌な音をてて波打つ。喉の奥がカラカラに乾き、うまく息が吸えない。
「……雅志?」
ベッドので横たわる夫の背に声をかけた。返事はない。規則正しい寝息が聞こえるだけだ。昼はどこにでもいる穏やかで頼りない夫。それが今、この暗のではまるでらない怪物のように見えた。
私は震える指先でスマホに触れた。画面ロックの解除コード。雅志の——ダメだ。結婚記——違う。
(……まさか)
義母の命である『0512』を入力する。
カチリ、とさな音をててロックが解除された。
胃のあたりから酸っぱいものが込みげてくる。自分の母親がんだをロック解除に設定している男が、なぜその母親の座から「報酬」を得ているのか。
通をタップすると、暗号化されたメッセージアプリがちがった。画面には、信じがたいやり取りの履歴が並んでいた。
『送信者:再事務局』 『本分の作業が正常に終しました。受託者(キャスト)への払い数料を差し引いた差額[14,420円]を、ご指定の裏座へ送完いたしました』
『受信者:坂本雅志』 『確認しました。来週もスケジュール通りでお願いします。キャストの作維持(首の癖、歩姿勢)の精度を落とさないよう指導徹底を』
のが真っになった。
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キャスト? 作維持? 精度?
が分からない。いや、理解したくなかった。
さっきコンビニで見たあの女は、義母のき返りでも怪奇現象でもない。雅志と、この『再』という謎の組織によって図に訓練され、義母のを着せられた「演技者」なのだ。
義母のきている振りをさせ、毎週曜に座からおをろさせるためだけに派遣された女——。
「……おい、由里? 何してるんだこんなに」
突如、背から声がした。
ねがるように振り向くと、雅志がベッドのに体を起こし、目を細めてこちらを見ていた。その線は、私が握りしめている彼のスマホに注がれている。
「雅志……これ、何なの?」
私は声を震わせながら、画面を雅志に向けた。
「これってどういうこと? お義母さんは3にんだのよ! 私たちが葬したのよ! なんでお義母さんの通帳からおがりてるの? なんでアナタのスマホにこんな通が来るの!?」
気に捲してる私を、雅志はめた目で見つめていた。取り乱す様子も、焦る素振りすらない。ゆっくりと起きがり、私のからスマホをひょいと取りげると、息を吐くように言った。
「なんだ、そんなことか。驚かすなよ」
「そんなこと……!? アナタ、狂ってるの!?」
「声を落とせよ。所迷惑だろ」
雅志はスマホをポケットに押し込むと、呆れたように首を振った。
「おさ、介護が終わってからずっと緒定だぞ。