"夫から届いた23年分の請求書" 第6話
隆司はりない分を内緒で渡そうとしたが、悠斗本が断った。「父さんが払うと、俺も会社と同じになる。困れば父さんが埋めるとうから」という言葉は、夫にく残った。
期退職の応募期限をに、隆司は社と話した。百万円の返済計画と、再雇用条件を面で示すよう求めたという。
社は態度を変えた。型契約はまだ内定しておらず、返済は業績回復。関連会社の役員という話も、正式な決定ではなかった。隆司が退職の部を会社へ預ければ検討するという程度だった。
「働いたのに、僕を信用していないのかと言われた」
隆司は帰宅、疲れた顔で話した。
「あなたは何と答えたの」
「信用の話ではなく、族へ説するために必だと」
社は、奥さんに財布を握られたのかと笑ったらしい。隆司は以なら緒に笑っただろう。今回は笑えなかったと言った。
会社にとって隆司は、数字をえ、社員の与を遅らせないだった。資がりない、個の定期預までしてくれる。社は彼の責任へ頼り、隆司も頼られることで、自分が会社に欠だとえた。
私が庭でしてきたことと似ていた。誰かが困るに補い、補ったことを記録せず、最には自分がいなければ回らないとう。違うのは、隆司がその役割へ銭と位を与えられ、私は族だから当然とされてきたことだった。
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「社を助けたかったことは否定しなくていい。でも、助ける額と方法を違えたことは別だとう」
私は言った。
隆司は期退職へ応募しなかった。すぐ会社を辞めれば、貸付の交渉材料も失うと考えたためだ。ただし追加貸付を拒み、経営改善計画がなければ部専へ相談すると伝えた。
その、会社は融関と協議し、私な貸付を含む債務を理した。隆司の百万円は、かけて毎返済するになった。全額戻る保証はないが、約束だけの状態からはんだ。
会社では、隆司が社を裏切ったという噂がた。部のから、今まで助けてもらったのにたいと言われたという。
「僕が貸したなのに、返してくれと言うと悪者になる」
「私が事を分けてと言ったと同じだね」
隆司は苦笑した。
「同じにするなと言いたいけど、し同じだな」
夫は、私へした活費精算案を撤回した。ただし謝罪は簡単ではなかった。
「会社のことで余裕がなかった。君に収入ができたから、支えてもらえるとった」
「支えてほしいと頼む代わりに、借だと言った」
「頼んで断られるのが怖かった」
「だから、断れない形にした?」
隆司はうなずいた。
私はを破らず、本に返した。彼が自分で処分するべきだとったからだ。
隆司は枚をシュレッダーへ入れた。
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私はそれを見ても、すぐ夫を許せるとはわなかった。がなくなっても、を「養った」と見ていた考えまで、瞬で消えるわけではない。
翌、隆司は社内で経理資料の示を求めた。貸付には聞かされていなかった未払い債務があり、複数の仕入先への支払いが遅れていることが分かった。社は型契約が決まれば解消できると繰り返したが、契約はまだなかった。
「社は、僕を族みたいなものだと言った」
「族だから百万円貸せと言ったの?」
「そうだ。僕も、族なら助けるのが当然だとった」
私たちは、自分たちので使っていた言葉が、会社でもの境界を曖昧にしていたことへ気づいた。隆司は弁護士名で返済計画を求める通を送り、翌週からな会議へ呼ばれなくなった。
夫は帰宅するたび、の関係を壊したのは自分かもしれないと話した。私は毎回「あなたは正しい」と慰めず、必な続きをしたことと、もっとく確認できたことの両方を伝えた。隆司もしずつ、誰かに全面な正解を保証してもらおうとしなくなった。
事分担はしずつ定着した。隆司は料理を覚え、曜は鍋か炒め物を作るようになった。が濃すぎるもあったが、私は頼まれない限りをさなかった。
悠斗は暮らしの準備をめ、休に洗濯の使い方を確認した。