"夫から届いた23年分の請求書" 第4話
「君は自分が働き始めた途端、偉くなったな」
隆司は吐き捨てた。
「偉くなったんじゃない。自分の座と選択肢を持っただけ」
以の私なら、夫の嫌が直るまで話をやめただろう。今は、自分の与があること以に、病院で患者へ説し、分からないことを確認する習慣が私を変えていた。
隆司は翌から、私が作った事をべなくなった。自分で弁当を買い、洗濯も別にした。庭内別居のような活になったが、私は追いかけなかった。
悠斗は両親ので落ち着かず、父親が会社を助けたことは派ではないかと言った。
「社員を守るために、自分のを貸したんでしょ」
「そうかもしれない。でも派な目なら、族へ嘘をついていいの?」
「母さんだって、仕事を始める、父さんは反対してたのに勝に応募したじゃない」
その指摘には理由があった。私は求へ応募して面接を受け、採用が決まってから隆司へ報告した。相談すれば、事が回らない、今さら続かないと止められるとったからだ。
「私も、決まってから伝えたことは謝る。でも私が働くことと、共の老資を百万円かすことは、響が同じではない」
「都よく分けてない?」
「だから話しいたい。誰の決定に、誰の同が必かを」
族で、計相談員を交えた面談を受けることになった。
広告
隆司は最初拒んだが、会社への追加貸付をしないという条件で、私が活費の見直しに応じると伝えると参加した。
相談員は、夫婦それぞれの収入、宅ローン残、預貯、保険、将来の見込みを覧にした。私がらない保険がつあり、隆司も私の個貯額をらなかった。
結婚から持っていた私の貯は百万円。専業主婦の、実母から相続したと、計を節約して隆司の同のもと積みてた分だった。隆司はそれを聞き、「隠していたのは同じだ」と責めた。
「結婚の座があることは伝えていた。残を毎報告しなかったことと、百万円を会社へ貸すことは同じではない」
相談員は、秘密の無だけでなく、庭への響と、事に決めたルールがあったかを分けるよう促した。
面談で分かったのは、会社への百万円を除いても、すぐ活に困る状態ではないことだった。宅ローンは残り、私の収入と隆司の与があれば返せる。ただし会社が倒れ、貸付と退職の部を同に失えば、老計画はきく変わる。
「君が働かなければ、こんな話にはならなかった」
帰り、隆司が言った。
「私が働かなければ、あなたは百万円を隠したまま、退職も会社へせたという?」
夫は黙った。
私はそのから与座を完全に自分で管理し、毎万円だけ計へ入れた。
広告
事の分担が決まるまでは、それ以さない。過分の返済は拒否した。
隆司も計座から勝にきなをかさないと約束した。ただし会社への百万円を取り戻す交渉については、まだ社に言えないという。
夫は会社の経理を担い、自分が抜ければ資繰りが止まるとっていた。族を養ったであるに、会社を支えたという役割を失うことを恐れていた。
私はその恐怖を理解した。それでも、理解したから私の与を差しすことにはならなかった。
面談のあと、私は週だけ姉のへ泊まった。同じで沈黙を続けると、先に折れた方が事とを元へ戻すだけになるとったからだ。別居を決めたわけではなく、距を置いて考えたいと隆司へ伝えた。
姉は「すぐ婚しなさい」とも、「養ってもらったのだからしなさい」とも言わなかった。自分は何を番取り戻したいのかと尋ねた。
私は最初、与だと答えた。しかし話しているうちに、欲しかったのはそのものより、私のを夫の好でまわせてもらった期として扱わないことだと分かった。
週にへ戻ると、隆司は自分の器を洗い、蔵庫に総菜を入れていた。は以より散らかっていたが、活は続いていた。私がいなければ何もできない夫に戻ってほしい気持ちが、し自分のにあることも認めた。