"夫から届いた23年分の請求書" 第3話
隆司はしばらく黙り、会社の持株会へ移したと説した。業績ががる見込みがあり、定期預より利だという。
「取引細を見せて」
「僕を疑うのか」
「疑われたくないなら、確認できるものを見せて」
隆司は、会社の報に関わるため見せられないと拒んだ。自社株購入であれば個の取引記録を示すことはできるはずだった。
その夜、悠斗が私の部へ来た。
「母さん、父さんを追い詰めすぎじゃない?」
「百万円を黙ってかしたに説を求めているだけ」
「父さんが稼いだだよ」
「あなたが学の、私は復職できる仕事を度断った。あなたのと、おばあちゃんの通院がなったから。あの働いていれば、私名義のも増えた。族で決めた分担の結果を、今になって稼いだだけの物とは言わせない」
悠斗は満そうだった。それでも、初めて私が仕事を断ったことをったらしい。
、隆司の会社からへ封が届いた。親展だったためけなかったが、差部署は事部で、《期退職優遇制度に関するご案内》と印刷されていた。
隆司は帰宅すると封を鞄へ隠した。
「会社、期退職を募集してるの?」
「全社員向けの案内だ。僕には関係ない」
だが、翌週から隆司の帰宅はくなった。休勤もなくなり、話が鳴ると別へ移る。欲も落ちていた。
広告
私は会社へ問いわせたり、鞄を探したりはしなかった。説を求め、期限を決めた。
「週に、計と今の仕事について話したい。百万円の記録も用して。話さないなら、私は自分の与を別管理し、活費だけ決めた額を入れる」
週、隆司は取引記録ではなく、枚の借用証をした。
借主は《株式会社栄設備》。隆司が勤める会社だった。百万円は持株会ではなく、資繰りに困った会社へ個に貸していた。
「社から頼まれた。来の型契約が取れれば、利息をつけて返すと言われている」
「会社は危ないの?」
「に厳しいだけだ」
借用証には返済期限があったが、担保も保証もない。貸付は定期解約の翌。取締役会の承認や正式な銭消費貸借契約について、隆司は確認していなかった。
「なぜ、私に相談しなかったの」
「君に話して何が分かる。、会社で働いたこともないのに」
その言葉で、隆司が私へ活費の返済を求めた本当の理由が見えた。私に収入ができたから公平にしたいのではない。自分の老資を会社へし、戻らないを、私の与で埋めようとしていた。
「会社から返らなかった、私の料を使うつもりだった?」
隆司は否定しなかった。
さらに、期退職の応募期限はだった。隆司は社から、退職の部も会社へ残せば、関連会社の役員として再雇用すると持ちかけられていた。
広告
夫は、まだ受け取っていない退職まで、族へ黙って会社に差しそうとしていた。
私は借用証を写真に撮り、原本は隆司へ返した。翌、計相談員から紹介された弁護士へ確認すると、会社への貸付そのものが直ちに無効になるわけではないが、回収できるかは会社の財務状況次第だと言われた。担保も代表者の個保証もないため、倒産すれば全額を取り戻せない能性がある。
私は自分がまた、隆司の失敗を代わりに処理しようとしていたことに気づいた。専を探し、資料をそろえ、社への文まで私が作れば、夫は困らずに済む。しかし、それでは事と同じように、見えない始末が私へ移るだけだった。
帰宅、相談先だけを隆司へ伝えた。「予約するなら、あなたが話して。最初の面談には緒にける。でも会社との交渉はあなたがして」と言うと、夫はたいと答えた。
百万円を貸す相談に加われなかった私が、回収だけの責任者になることはできない。隆司は迷い、ようやく自分で弁護士事務所へ話した。
私は隆司へ、期退職や再雇用をで決めないよう求めた。彼の職業について、私が許をすつもりはない。ただし退職の収入や退職を提に老計画をててきた以、族へ響する条件は共してほしいと伝えた。