"果樹園の奥の家" 第12話
グラフは売だけをきく見せ、借入と未払い費用の欄を削っていた。スクリーンに映る肩がりの線へ、初枝は何度もうなずく。けれど従業員席では、6か分の残業代を待たされたたちが無言で資料を見つめていた。
「そのために、古い株主名簿を理し、経営権を私へ本化します」
拍は起きたが、方の取引先3社はをかさなかった。代表者を巡る問題が解決していないとっているからだ。
私はホテルの担当者から予備のマイクを受け取り、壇の横まで歩いた。健太郎はを塞ごうとしたが、野さんと司法士がちがると、周囲の目を気にしてを引いた。
のを見つけた、私は豚汁の容器さえ支えられないほど指に力が入らなかった。今、のにあるマイクはそれよりずっと軽い。しみが消えたわけではないが、何を信じればいいかはもう迷っていなかった。
「皆さまに、最初に2枚だけ確認していただきます」
スクリーンを切り替えると、当取得した法登記と株主名簿が映った。発済み株式の100%を所するのは梨栞。健太郎は、すでに代表取締役を解任され、変更登記も申請済みである。
会のあちこちから、い声ががった。
取引先の代表が「では、48の荷を指揮したのは誰ですか」と尋ねた。
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野さんがちがり、38トンを4623分でかした記録と受領票を掲げる。
「梨さんです。さんは配報を隠し、会社を譲れば返すと言いました。ここにいた18全員が聞いています」
従業員たちが順にうなずき、健太郎を称えるための会で、最初の証言が崩れた。
「それは栞が勝に作った類だ!」
「法務局の受付番号と、司法士の証があります。確認したい方には原本をお見せします」
司法士がへると、健太郎は矛先を変えた。
「株は俺が譲り受けた。登記が追いついていないだけだ。証拠の契約もある」
彼の言葉を聞き、先が私へさくうなずいた。健太郎は120ので、偽造契約を自分の権利として使うを言したことになる。
私はまだ反論せず、次の資料を表示した。
い画面の側に「栞の個資1300万円」、側に「会社座4700万円」と現れる。2つの数字から伸びた赤い矢印は、央の「計6000万円」へなった。
「では健太郎さん。この6000万円を、何に使ったのか説してください」
第14話 6000万円の赤い矢印
宴会から拍が消え、プロジェクターの作音だけが残った。
私は1本目の赤い矢印を伸ばした。き先は、京のマンション販売会社。振込額は4000万円で、名義は佐藤美代子になっている。
2本目はの務と具へ向かい、計1200万円。
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果園の奥に建てられた秘密のと、そこに運び込まれた具の代だった。
最の800万円は、美代子名義の座、保育料、子ども用品、族旅の決済へ分かれている。
4000万円、1200万円、800万円。計6000万円。
数字の横には、の振込記録、売買契約、事請負契約を並べた。個報は隠してあるが、付、額、支払先は致している。取引先のひとりが資料を見比べ、「設備投資ではない」とつぶやいた。
振込は1だけではない。私が300万円を補填した翌に具代が支払われ、450万円を入れた週にはマンションの付が送られていた。健太郎が「肥料代がりない」と私のを握った夜と、別の族へを与えたが、通帳ので1本につながっている。
健太郎はマイクを握り直した。
「京のマンションは営業拠点だ。のも従業員宿舎で、すべて会社のために必だった」
「営業拠点なら、なぜ会社ではなく美代子さん個の名義なんですか。従業員宿舎なら、なぜあなたの子ども部と族写真しかないんですか」
「美代子に管理を任せただけだ。を私物化したのはあの女だ」
「送操作に使われた端末は、すべてあなたの会社用パソコンです。夜1台のアクセス7回も、あなたの管理者IDで記録されています」
私は操作履歴をねて表示した。健太郎は「IDを盗まれた」
と言いかけたが、同じ刻に事務所へ入る姿が防犯カメラへ残っていると告げると、を閉ざした。
健太郎は会方を指さした。線を浴びた美代子は度目を閉じ、それから自分ので通へた。