"果樹園の奥の家" 第11話
会へ持ち込む資料は、説の順番まで決めた。
最初に1300万円と4700万円をね、流総額6000万円を示す。次に4000万円、1200万円、800万円のき先を赤い矢印で結ぶ。最に0円の契約と夜018分の映像をせば、複雑な横領も120が目で理解できる。
ただし、子どもの顔や個報はすべて伏せた。美代子のLINEも、健太郎が送った資と偽造の指示だけを抜きし、6の私活は映さない。爽な反撃のために、5歳と3歳の子どもまで見世物にするつもりはなかった。
「数字は、鳴らなくても嘘を追い詰めます」
先はそう言い、資料を黒いケースへ収めた。
午5、健太郎から話があった。婚届が受理されたとったらしい。
『勝なことをしやがって。今夜、皆のでおが妊だから捨てられたと話す。度とこの町を歩けなくしてやる』
「話したいことは、それだけ?」
『会社のは美代子が使った。俺には証拠がある』
「偽の業務委託契約のことなら、美代子さんから受け取ったわ」
話の向こうで、息をのむ音がした。私はそれ以教えず、通話記録を保して切った。
会のホテルには午640分に到着した。宴会のには「梨果 豊作謝会」とかれたきな板がち、招待客が次々と受付を通っている。健太郎は会社の代表印を無断で使い、会費まで法払いにしていたが、その請求もたな証拠として確保済みだった。
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ロビーにはの引をかけたりんご箱が積まれ、来賓用の胸章まで用されていた。会社のを止められても、健太郎は「成功した経営者」の台を放せない。私ののでは、黒いケースの取っが汗でたくなっていた。それでもで豚汁を抱えていたときとは違う。今度は、何が入っているかも、誰へ見せるかも私が決めている。
私は先、司法士、美代子と別々に入した。彼女の子どもたちは姉のに残し、顔をさらさない。野さんは従業員を代表して方の席につき、過の荷台帳を胸に抱えている。
会5分、ホテルの担当者が私たちのプロジェクター接続を確認した。健太郎側は、私が謝罪映像を流すと聞かされているらしい。スクリーンにはまだ、りんご畑の美しい写真だけが映っている。
午7、照が落ちた。
健太郎は盛な拍を受けて壇へがり、初枝を「会社を支えた母」、奈緒を「次期役員」と紹介した。そして最列の空席へ目をやり、得げに笑った。
「今夜、梨果のしい所者と、本当の族を皆さまへ発表します」
その言葉を図に、私は黒いケースを持ってちがった。
第13話 豊作謝会
「今夜、梨果のしい所者と、本当の族を皆さまへ発表します」
健太郎の声が宴会へ響く、私は黒いケースを持ってちがった。
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120の線が斉に集まり、会の空気が変わった。健太郎は瞬だけ顔をこわばらせたが、すぐに気の毒そうな笑みを作る。
いクロスをかけた円卓には、健太郎の写真入りパンフレットが置かれ、「若き改革者が再した果園」と印刷されていた。来賓席には元議員や関係者が座り、方には域の記者もいる。彼は私を屈させるため、自分で最もくの証を集めてくれたことになる。
「元妻の栞です。婚で気が転しているので、の失礼はお許しください」
私が区役所で受け取った婚届受理証を掲げると、彼の笑みが止まった。婚届を私が提した事実を、まだ隠していたのだ。
壇の初枝がマイクを奪った。
「このは子どもも産まず、京都から命令するだけでした。健太郎を6支え、孫を2産んだ美代子さんこそ、本当の妻と呼ぶにふさわしいんです」
スクリーンには、健太郎と美代子、5歳の息子、3歳の娘がりんご畑で笑う写真が映された。子どもの顔まで利用されたことに、美代子の表がくなる。彼女は招待席ではなく、会方で先の隣にっていた。
健太郎はさらに、過3の売が伸びたグラフを示し、自分が果園を救ったと語った。件費の未払いも、会社資4700万円の流も伏せたまま、来は京と阪へ直営をすと宣言する。