"果樹園の奥の家" 第10話
第11話 町を方につけた男
健太郎の投稿は、そののうちに町へ広がった。
彼は3、祭りへ果物を寄付し、消防団の集まりにも顔をしてきた。方の私は京都にみ、収穫期でも数字を確認するだけの「都会の相続」に見えていた。事をらないほど、現で汗を流す夫から会社を奪った妻、という話を信じやすい。
果園の話には、「夫婦喧嘩に従業員を巻き込むな」「だけ持って京都へ帰れ」という苦が相次いだ。直売所の入には、閉に傷をいたまで貼られた。
若い従業員が剥がそうとしたが、私は先に写真を撮り、防犯映像と緒に保した。
「消すに残す。ではなく、順番で片づけましょう」
私がそう言うと、野さんは黙ってを剥がし、細かく畳んだ。父なら同じことをしたとう。
健太郎は元のさな集会所を回り、会社の座が止められたせいで荷が危なかったと説していた。実際には自分が契約報を隠したことも、38トンが4623分で荷されたことも話さない。さらに初枝は、美代子と子どもたちの写真を見せ、「栞がむを奪い、幼い孫をから追いした」と泣いてみせた。
集会の画では、健太郎がのついた作業着で壇にち、「こので果園を守った」と両を広げていた。拍するのには、父の葬儀で私に声をかけてくれた農もいる。
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胸は痛んだが、彼らが見ているのは健太郎が切り取った3だけだ。らないをむより、切り取られた残りを見せるべきだとった。
美代子本が協力を申している事実は、捜査のため伏せてある。その沈黙を、彼らは肯定だとい込んだ。
謝会の、取引先3社から参加見わせの連絡が来た。どちらが正当な経営者か分からない会社とは、しい契約を結べないという。荷危は越えても、噂が続けば来季の売が消える。
さらに、ホテル側から120分の料理代180万円が未入だと連絡が入った。健太郎は会社名で予約しながら、自分のカードを使っていない。私は会社資から支払うことを拒み、主催者本へ請求先を変更してもらった。その10分、健太郎は「栞が町の謝会まで潰そうとしている」と投稿した。何を止めても、彼は被害者の物語へき換える。
「今すぐ反論文をしますか」
税理士に聞かれたが、私は首を振った。SNSで数字を並べても、健太郎は偽物だと言い張る。彼自が集めた120ので、原本と音声を同に示すほうが、逃げはない。
午、黒い箱に入った最級りんご12個が事務所へ届いた。差は健太郎。箱の底には、謝会の特別招待状といが入っていた。
『席するなら、婚届と株式譲渡契約を持ってこい。
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皆ので俺の経営権を認めれば、横領の件は内の問題として終わらせる』
彼はまだ、私が世体を恐れて折れるとっている。
私は返信の代わりに、婚届を京都内の区役所へ提した。受理証を受け取った刻は午326分。健太郎へ通されるに、先が京のマンションとのについて処分禁止の仮処分を申してた。
事務所へ戻ると、謝会の席者覧が届いていた。最列には健太郎、初枝、奈緒。その横には「佐藤美代子・ご族」と印刷されている。
美代子は名を見つめ、ゆっくり顔をげた。
「私もきます。今度は、本ので本当のことを話します」
第12話 祝賀会への贈り物
豊作謝会の朝、先から3つの報告が届いた。
1つ目は、跡鑑定による見。0円の株式譲渡契約にある私の署名は、賀状の文字を拡してつなぎわせた能性が極めてい。2つ目は、印鑑定。押された実印は本物ではなく、過の委任状から複製された画像だった。3つ目は、野県警が業務横領、印私文偽造・同使などの疑いで告訴状を正式に受理したという連絡だった。
警察は、逃や証拠隠滅のきがあれば捜査をめると告げた。謝会で何が起きるかは分からないが、私たちはすでに細、契約原本、クラウド映像、美代子のLINEを提している。
から都よく警察を呼ぶのではなく、けるだけのはもって作った。