"果樹園の奥の家" 第4話
宛先をたどると、京の産会社へ4000万円、の務と具へ1200万円、佐藤美代子名義の座や子ども用品へ800万円が流れていた。
1300万円と4700万円で、6000万円。
美代子がにした借の額と、1円のずれもなかった。夫は借を返したのではない。私のと会社ので、別の族の活を丸ごと買っていたのだ。
吐き気が込みげたが、私は画面を閉じなかった。送、摘、振込先を保し、付けメモリーとクラウドの両方へ複製する。をかしているだけ、で「パパ」と笑ったの声をいさずに済んだ。
健太郎の管理者権限で削除された伝票もあったが、融関側の細は消せない。ログには夜1台のアクセスが7回残り、すべて夫の端末からだった。私は画面を写真に撮り、刻が分かる形で保した。りに任せて問い詰めれば、原本を消される。今必なのは言葉ではなく、逃げを塞ぐ順番だった。
午4、先とビデオ通話がつながった。58歳の彼は、私が送った資料をしばらく無言で確認していた。
『これは夫婦の揉め事では済みません。業務横領の疑いがあります。栞さん、健太郎さんに資料を見たと伝えましたか』
「まだです。先に全部を保全します」
『正解です。お父さまが果園再発用に残した2億4000万円のうち、残っている1億9300万円は、朝までに単独でかせない状態にします』
先の言葉を聞きながら、私は共フォルダの契約を確認した。
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見慣れないPDFが1件ある。題名は「株式譲渡契約」。くと、梨果の全株式を、私から健太郎へ0円で譲渡すると記されていた。
署名欄には「梨栞」とある。けれど、それは私の字ではない。押印された印も、父の、度も庫からしていない実印に酷似していた。
契約は、私が京都の病院でドックを受けていただった。受診記録もカード決済も残っている。さらに子ファイルの作成者欄には、義母の初枝が町内会で使っているパソコンと同じ利用者名が表示されていた。
さらに、私が席した覚えのない株主総会議事録と委任状まで添付されている。
『原本の所を特定しましょう。絶対にご主を問い詰めないでください』
先がそう告げた瞬、玄関の呼び鈴が鳴った。モニターには健太郎と義母の初枝、そのろに義妹の奈緒がっている。
初枝はカメラを睨みつけ、玄関扉を拳で叩いた。
「栞さん、いるんでしょう。今すぐけなさい。このを誰のものにするか、話をつけに来たよ」
第5話 このをけ渡せ
私は先との通話を切らず、玄関脇の棚に携帯を伏せて置いた。父が建てた京都の町には防犯カメラがあり、玄関から居までの映像と音声がクラウドへ保される。証拠を消されないことを確認してから、私は鍵をけた。
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初枝は挨拶もせずにがり込み、そのろから健太郎と奈緒が続いた。義母のには、すでに記入済みの婚届と茶い封筒が握られている。
初枝は廊の欄や庭を値踏みするように見回し、奈緒は玄関の靴箱をけて収納の広さまで確かめた。このは築70を超えるが、父が柱を残して改修し、母の形見や私の幼い頃の傷まで抱えている。彼らの目に映っているのはいではなく、京都内にあると建物の値段だけだった。
「まで押しかけて、美代子さんと子どもたちを怖がらせたそうね。あなたには母親の気持ちが分からないのよ」
「お義母さんは、あの族をっていたんですか」
私が尋ねると、初枝は隠すどころか胸を張った。
「っていたよ。美代子さんは6から健太郎を支えて、孫を2も産んでくれた。あなたは3たっても子どもひとりできないうえ、果園にも顔をさない。妻としてどちらがふさわしいか、考えるまでもないでしょう」
隣で奈緒が気まずそうに目を伏せた。秘密のがあることはっていても、義母がここまでく関わっているとはわなかったらしい。
健太郎は私の横を通り、斎へ向かおうとした。私は廊を塞ぎ、静かに問いかけた。
「何を取りに来たの?」
「会社の認証キーだ。俺が管理しているものを返せ」