"出産予定日2日前、家を追い出された" 第15話
あの子を1にしないで》
私は保だけして、返信しなかった。健には弁護がいる。佳代にも妹や自分で選べる活がある。私だけが2の結果を背負う必はない。
帰り、端末から佳代の番号を着信拒否に設定した。画面に確認表示がても、指は止まらなかった。沈黙して耐えるためではなく、必な連絡を代理へ集め、私と娘の常を守るための選択だった。
へ戻ると、父が斎のに古い箱を置いていた。佳代の荷物を確認した際、母の契約のから見つかったという。
箱の蓋には、くなった母の字で私の名がかれている。にはの予備鍵、幼い頃の写真、そしてい封筒が1通入っていた。
封筒にはし黄ばみがあり、角に犀の押しが挟まっていた。指で触れると、乾いたびらがかすかに揺れる。母がこの机に座り、まだしない孫をい浮かべながらいたが、箱のだけ止まっていた。
《由美へ。あなたに子どもがまれたら、2で読んでください》
母がくなったのは、私が健と会うだ。孫の顔を見ることも、私の結婚がどうなるかもらなかったはずなのに、封筒は度もかれていない。
私は眠っている娘を抱き、父と並んで斎へ座った。
そして、母が未来の私たちへ残したの封を切った。
第17話 母が未来へ残した
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い封筒からてきたのは、便箋3枚だった。し丸みのある母の字を見た瞬、台所で料理を教わったや、をした夜に背を撫でてもらった触まで戻ってくる。
《由美へ。あなたがこのを読むとき、私はもうそばにいないでしょう。そして、あなたの腕にはしい命がいるのだといます》
私は眠る娘を抱き直し、声にして読んだ。父は向かい側に座り、古い族写真を両で持っている。
《私があなたにを残すのは、財産を守ってほしいからではありません。つらい所かられたいとったとき、帰れる扉を1つ持っていてほしいからです》
《は、を閉じ込めるためのものではありません。誰かにを命じられる所でもありません。あなたと、あなたが守りたいが、して眠れる所にしてください》
文字が涙でにじみ、私は読むのを止めた。あの夜、私は自分名義ののにちながら、帰る所がないとっていた。登記簿に名があっても、まで支配されれば、自分のではなくなる。母はずっとから、そのことをっていたのかもしれない。
斎のでは、交換したばかりの計が静かにを刻んでいた。以は佳代に呼ばれる声が聞こえるたび構えた廊にも、今は結の寝息しかない。母が残したのは建物ではなく、この静けさへ戻る権利だったのだとった。
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父が便箋の続きを引き受けた。
《誠さんは配すると、何でも自分で決めようとします。でも、本当は器用なだけです。由美の選択が違って見えても、帰るまで閉じないでください》
父の声が震えた。最の文を読み終えると、写真を机へ置き、くをげる。
「私は、母さんとの約束を守れなかった。健との結婚を止めることばかり考え、おが反対を押し切ったら、連絡を絶ってしまった」
「私も、お父さんが正しいと認めるのが嫌で、助けを求めなかった。3、話をかけようとったことは何度もあったのに」
父が私のへ触れようとして、途で止める。そのためらいを見て、私は自分からをねた。親子だから何をしても許されるわけではない。それでも、違いを認め、次の距を緒に決めることはできる。
「これからは配しても、私の代わりに決めないで」
「分かった。助けが必か、先に聞く」
「私も、困ったときは黙って消えない」
それが、3の空を埋める最初の約束になった。
娘には、結と名付けた。との縁に縛られるのではなく、自分で切な縁を結び直せるになってほしい。その名を伝えると、父は「結」と何度もさく呼び、赤ん坊ののひらへ指を差しした。
結は眠ったまま、その指をく握った。
父は泣き笑いの顔で、「こんなにさいのに力がある」
と言った。私も結のへ指を添える。