"会長、腕時計に盗聴器があります!" 第6話
父さんは昔からそうだ。私が何をしても認めず、から来たばかり信用する」
健は息子をしばらく見つめた。
「おを信用しなかったのではない。会社を継ぐなら、のを自分の位を守る具にしてはいけないと、教え続けてきた」
最に神が、施設への助成を見直すと脅したメールと、蓮を襲った男たちの録音を再した。
〈副社は、ごと回収しろと言っている〉
コンビニの防犯映像と両記録から、男たちが岸の部であることも確認されていた。浩に賛同していた取締役たちは、1ずつ目のの資料を閉じていった。
やがて社取締役から、浩の代表権と副社職を即解く緊急議が提された。採決の結果、反対したのは浩本だけだった。取締役からの解任についても、臨株主総会を招集することが決まった。
「私は創業のだぞ。こんな決議が認められるとうのか」
監査役は静に答えた。
「今ここで必なのは柄ではなく、取締役としての適格性です」
健は総務責任者へ、浩と岸の入館証を止するよう命じた。
数、17歳の蓮を拒んだ入館ゲートが、今度は田浩を拒むことになった。
第8話 いつもどおりの1200円
岸は暴事件について警察の事聴取を受け、社内調査に懲戒解雇された。
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浩も臨株主総会で取締役を解任され、盗聴、証拠の捏造、個報の正利用、への関与について刑事告発と損害賠償請求を受けた。
都ホールディングスは、蓮に向けた報漏洩の疑いが誤りだったことを社内へ公表し、健としい経営陣が正式に謝罪した。蓮の学にも調査報告が届けられ、推薦や学に利益を与えないことが確認された。
施設への助成を脅しに使った都福祉財団では、運営体制が改められた。支援は独した委員会が管理し、特定の役員が自分の都で止められない仕組みに変わった。
蓮は事件、児童養護施設へ戻った。自分のせいで助成が消えると恐れていたの子どもたちは、玄関へ入った蓮を見つけると斉に駆け寄った。
「おかえり」
その言を聞き、蓮は初めて、自分からていったことを野寺に謝った。
会社は、名誉を傷つけ、個報を正に利用し、全を守れなかったことへの解決として1000万円を支払った。それとは別に、蓮の希望する学までの学費を、第者管理の奨学制度から支援することになった。健個の好ではなく、理事会の審査と部監査を受ける制度にしたのは、蓮が特別扱いを望まなかったからだった。
「会付として、正式に働く気はないか」
健から誘われても、蓮はすぐにはうなずかなかった。
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「僕は、自分のがどうしてのと違うのかりたいです。音響と子器を勉して、聞こえた異常を、誰にでも確認できる証拠へ変えられるになりたい」
「私のにはなってくれないのか」
「会も、自分で聞く練習をしてください」
健は瞬目を丸くし、それから声をげて笑った。
蓮はへ通いながら学準備を続け、週末だけ森本靴磨へ戻った。卒業は学くの学寮へ移る予定だが、森本に教わった仕事を辞めるつもりはなかった。
ある曜の午、見慣れた革靴が磨き台ので止まった。
「今は警護も秘もいない。ただの客だ」
健は子へ座り、古い械式計を台のへ置いた。
「計は調べなくていい。今度こそ何も入っていない」
蓮はを澄ませ、異音がないことを確かめてから、いつものように革靴へブラシを当てた。
「では、いつもどおり1200円です」
の音が架を揺らし、仕事帰りの々の音が通り過ぎていく。以は蓮を疲れさせるだけだった雑音のから、今は自分に必な音を選べるようになっていた。
靴を磨く所は変わらない。それでも、蓮の未来はもう誰にも奪えなかった。