みかん小説
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"水曜日の部屋" 第4話

今まで何度もけようとして、結局閉じていた箱だった。

見るのが怖かった。

そこにあるものが、娘とのではなく、

自分がらなかった娘の証拠になる気がしたからだ。

美奈は枚の写真を取りした。

桜ので笑う梨

隣には美奈。

で同じ方向を見ている。

「この頃は……」

美奈はさく呟いた。

「何でも話してくれていたのに」

本当にそうだったのだろうか。

今になって考えると、違はいくつもあった。

の頃。

は突然、暮らしをしたいと言った。

美奈は反対した。

「女の子がで暮らす必なんてないでしょう」

「もう子供じゃないよ」

はそう言った。

あの、美奈は傷ついた。

自分が切に育ててきた娘に、距を置かれたようにじた。

だから言ってしまった。

「お母さんがどれだけ配しているか分からないの?」

は黙った。

そして笑った。

「ごめんね」

その笑顔を見て、美奈はした。

娘は分かってくれたのだとった。

でも。

今なら分かる。

あの笑顔は、諦めた笑顔だったのかもしれない。

に千が現れた。

美奈はすぐに気づいた。

とは違う。

は、千の顔に迷いがあった。

「入ってください」

美奈が言うと、千は静かに内へ入った。

「昨の写真のことですが」

美奈が切りす。

「教えてください」

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し黙った。

「写真の男性は、私の兄です」

美奈は驚いた。

「お兄さん?」

「はい」

瓶に飾られたを見ながら話した。

「兄は、ある問題を抱えていました」

「どんな問題ですか」

「仕事です」

は答えた。

「会社のおの問題でした」

美奈の表が変わる。

「梨が関わっていたんですか?」

「いいえ」

は首を振った。

「梨さんは巻き込まれたんです」

そこで美奈はした。

やはり何かに巻き込まれていたのだ。

そうった。

しかし、千の次の言葉で、その考えは崩れた。

「でも、梨さんは自分から関わりました」

「……なぜ」

「兄を助けるためです」

美奈は黙った。

は続けた。

「梨さんは、が困っているのを見ると放っておけないでした」

その言葉だけなら、美奈もっていた。

昔からそうだった。

でいる子がいれば声をかけた。

捨て猫を見れば連れて帰った。

優しい子だった。

でも。

美奈はその優しさを、別の形で覚えていた。

「だから配だったんです」

が言った。

「梨さんは、自分を回しにするでした」

その言葉に、美奈の胸が痛んだ。

「……私も、そうっていました」

「え?」

「昔からそうでした」

美奈は目を伏せた。

「でも私は、それを所だとっていました」

は何も言わなかった。

美奈は続けた。

「優しい子だと」

「……」

できる子だと」

その瞬

が静かに言った。

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「でも、梨さんはが得だっただけです」

美奈の顔ががる。

「違います」

わず否定した。

「梨い子でした」

「はい」

は頷いた。

かったです」

「だったら」

「でも」

は美奈をまっすぐ見た。

ほど、助けてと言う所を失います」

内が静かになった。

ではの音が聞こえる。

誰かの笑い声も聞こえる。

いつも通りの常。

なのに、美奈にはその言葉だけが残った。

そのの夜。

美奈は再び梨の部に入った。

見つけた引きしの傷。

気になって仕方なかった。

さなドライバーを使い、底板を確認する。

すると。

わずかな隙があった。

美奈は震える指で板を持ちげた。

に入っていたものはつだけだった。

さなUSBメモリ。

古いものだった。

表面には、梨の字でかれていた。

言だけ。

「お母さんへ」

美奈の呼吸が止まった。

娘から何の連絡もなかった。

その娘が。

に残したもの。

美奈はUSBを握りしめた。

すぐにきたい。

でも怖かった。

そこに何が入っているのか。

もしそこに、

「お母さん、ごめんね」

かれていたら。

もし、

「探さないで」

かれていたら。

自分は耐えられるだろうか。

美奈は子に座った。

そして、ゆっくりパソコンを起した。

画面につのファイルが表示される。

は、

『3の私へ』

ではなかった。

『お母さんが見る頃には』

だった。

美奈の指が止まった。

ボタンを押す。

数秒の無音。

そして。

ぶりに聞く娘の声が流れた。

「お母さん」

その言だけで、美奈の目から涙が落ちた。

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