みかん小説
本棚

"義母に「車が狭いから、あなたは留守番ね」と置いていかれた私" 第3話

寿の祝いでかけた隙にこんなことをするなんて、として恥ずかしくないの?』

命令はやがて懇願へ変わり、30件目を過ぎる頃には、浩司が自分から隠していた事を話し始めた。

『俺にはあのが必なんだ。優のお腹には子どもがいる。母さんと3で暮らせるようにすると約束したんだよ。名義を俺に変えてくれたら婚してやる。お政婦として残りたければ、考えてやるから』

川弁護士が再を止めた。

倫相の妊娠、宅を取得する目婚の条件まで、ご本の声で認めています。贈与類の偽造と結びつけるな記録です」

私は頷き、その録音を保対象に指定した。らない番号から届いたメッセージは優のものだった。

『いつまで奥さんのつもりですか』

『赤ちゃんにストレスを与えないでください』

を返してください。あれはです』

彼女はの登記名義すららないまま、私に返還を求めていた。返信はせず、送信刻と話番号が分かる状態で画面を保した。

残りの録音では、浩司の調が再びくなっていた。15んだ自分にもの権利がある、勝な売却は犯罪だ、私が精神を病んだと親族全員に証して財産を管理してやるという。

そのの午川弁護士のもとへ内容証郵便が届いた。

広告

は浩司で、表題は「親族会議催のおらせ」。本文には、妻の由美子がを病み、齢の義母を見捨て、族共の財産を無断で処分しようとしているため、治療と財産管理を親族で協議するとかれていた。

席する義務はありません。こちらから拒否できます」

川弁護士はそう言ったが、私はと会を確かめ、通を鞄へ入れた。浩司たちが親族全員を集めてくれるなら、こちらからずつ真実を説するが省ける。

席します。ただし、登記事項証も、偽造された贈与類も、今の録音も全部持っていきます」

そして私は、47件目の音声をもう度再した。そこには浩司のこんな言葉が残っていた。

『親戚ので謝れば、まだ政婦として置いてやる』

私は録音を止め、静かに答えた。

「謝るのは、どちらなのか。皆さんので確かめてもらいましょう」

第5話 誰が誰のを奪ったのか

「まずは子さんに謝りなさい」

親族会議が始まると、浩司の叔父である正志は、挨拶もせず私にそう命じた。町内会館の会議には親族が15ほど集まり、正面には浩司と子が並んで座っている。私は川弁護士とともに、その向かいの席へ着いた。

寿を迎えた義母を追いすため、を勝に売ったそうじゃないか。浩司の留守に自分の荷物だけ運びし、突然退を求めるとは、あまりにだ」

広告

子はハンカチで目元を押さえ、震える声を作った。

「私は由美子さんを本当の娘だとっていたのよ。それなのに、温泉から帰ったらを売ったというが置かれていたの。私のような寄りが、これからどこで暮らせばいいのかしら」

親戚たちは同するように頷いたが、私は鞄から搬記録を取りした。

「最初に事実を訂正します。浩司さんと子さんは今もあので暮らしており、鍵も替えていません。私は自分の物だけを運び、内は搬に撮しました。お2具や類には切触れていません」

写真を順番に回すと、子の桐箪笥も、浩司のソファも元の所に残っていることが分かる。親戚の子を見た。

「着の着のままで追いされたと聞いたけど、まだんでいるの?」

「それは……もうすぐていけと言われているのと同じでしょう」

最初の嘘が崩れると、子は目元からハンカチをした。正志は咳払いし、今度はを売る権利が私にないと主張した。

「夫婦で15暮らしたなら、浩司にも半分は権利があるはずだ。の財産を、相談もなく処分するのはおかしい」

の財産だったことは、度もありません」

私は法務局で取得した登記事項証と、父から相続した類を正志のへ置いた。彼は老鏡を掛け、所者欄に記された名を声にした。

……由美子」

も建物も、結婚に夫婦で買ったものではありません。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: