みかん小説
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"父が守った秘密" 第1話

夫がんでから半が経った頃、私は初めて、あのの机の引きしをけた。

正確に言えば、けなければならなかった。

命保険の続き。

座の理。

会社から届いた類の確認。

きているには夫が全部やっていたことを、今度は私がで片づけなければならなかった。

「こんなことまで、私がやるんだ……」

そう呟いた瞬、自分でも驚くほどたい声がた。

しいというより、疲れていた。

夫の名かれた類を見るたびに、胸の奥にさな痛みはあった。

でも涙はもうなかった。

の闘病活で、私は分すぎるほど泣いた。

本浩

私の夫。

緒に暮らした

そして、最まで私が完全には理解できなかった

「お母さん、無理して全部でやらなくてもいいからね」

娘の真央が配そうに言った。

丈夫よ」

私はいつものように答えた。

「お母さん、昔から何でもでできるから」

その言葉をにした、なぜかしだけ胸が苦しくなった。

昔から。

私はいつから、そううようになったのだろう。

誰にも頼らない。

誰にも期待しない。

自分のことは自分で守る。

それがさだとっていた。

でも本当は違ったのかもしれない。

ただ、誰かを信じる方法を忘れていただけだったのかもしれない。

夫の斎は、くなってから半経った今でも、ほとんどをつけていなかった。

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机のには、最に読んでいた経済雑誌。

棚には古い写真。

引きしには、会社代の名刺。

几帳面なだった。

何でも理して、何でも記録する

の私は、それを「細かすぎる性格」とっていた。

でも今見ると違って見えた。

誰にも見せるつもりのなかったの跡が、そこには残っていた。

の引きしをけただった。

奥に、茶い封筒が入っていた。

表には何もかれていない。

私はし迷った。

夫の私物を見ることに、罪悪があったからだ。

でも、には関係の類が入っていた。

細。

古い通帳。

そして、枚の覧表。

私は何気なく目を通した。

最初はが分からなかった。

同じ額。

同じに振り込まれている。

先。

そこにかれていた名を見た瞬、指が止まった。

本昭夫。

私の父だった。

「……嘘」

わず声が漏れた。

父。

父の名だった。

度ではない。

度でもない。

回でもない。

夫は父におを送っていた。

が混乱した。

なぜ?

どうして?

夫と父が?

私のらないところで?

が連絡を取りっていた?

私の父、本昭夫。

私にとって、番理解できないだった。

頑固で。

で。

自分の考えを曲げない

私が若い頃、付きっていた男性との結婚を反対したもそうだった。

「おは何も分かっていない」

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父はそう言った。

「その男と緒になったら、お悔する」

私は泣きながら反論した。

「お父さんはいつもそう。私のを勝に決めるのね」

あの以来、私と父のにはい溝ができた。

結局、私は別の男性と結婚した。

その相が浩だった。

でも結婚してからも、父との距は縮まらなかった。

父はに来なかった。

孫がまれたも、必づかなかった。

周囲のは言った。

「昭夫さん、たいね」

私もそうっていた。

そんな父に。

夫が。

、おを送っていた。

なぜ?

父が夫に何か頼んだのか。

それとも。

夫が父を助けていたのか。

私は通帳をめくった。

そこには、夫の字でさなメモが残されていた。

たった

それだけだった。

「美のため」

その文字を見た瞬

私は胸の奥に、説できない違を覚えた。

私のため?

何が?

父におを送ることが?

その夜。

私は眠れなかった。

隣の部には、もう誰もいない。

、当たりだった夫の気配は消えている。

でも、机のに残された枚のだけが、私に問いかけていた。

私は本当に、夫のことをっていたのだろうか。

私は本当に、父のことをっていたのだろうか。

翌朝。

私は久しぶりに実話をかけた。

父に聞かなければならなかった。

逃げることはできなかった。

数回の呼びし音の

い声が聞こえた。

「……美か」

その声を聞いた瞬

なぜかが蘇った。

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