"山奥に捨てられた下半身不随の妻妻は立ち上がる" 第5話
やがてSUVは主をれ、《事関係者以通禁止》とかれた林へ入った。健は鈴設計が過の事で使用した共通鍵でゲートをけ、が通過すると再び施錠した。
追尾両はそこで止まった。管理事務所から鍵が届くまでのにも、端末の点だけは林の奥へんでいく。
約15分、その点が急斜面ので止まった。
録音データには、健が玲奈へ到着を告げる声、子の属音、ブレーキレバーを途までげる音が順番に届いた。続いてSUVのエンジンがざかり、しばらく蝉の声だけが続く。
捜査員がゲートをけた、受信端末が2回震えた。
佳奈からの救助信号だった。
救助班が現へ到着したのは、それから8分だった。佳奈はむらに膝をつき、横倒しになった子のそばで自分の脚を押さえていた。彼女が子からちがった直、発信からは位置報だけでなく、健の声を含む音声も部へ送られていたのだ。
刑事は半端な位置に残ったブレーキ、坂のタイヤ痕、佳奈がつかんだ若を撮した。録音には、健がブレーキへ触れた音からでちるまでが連続して残っており、「休憩所で妻を見失った」という弁解はもう使えない。
その頃、別班は速をる健のSUVを追っていた。彼はをりる途で玲奈へ話し、予定どおり丸の内のホテルへ向かうと伝えている。
広告
担架へ移された佳奈は、2が祝杯を挙げる瞬まで逮捕を待ってほしいと伊藤へ改めて告げた。
数分、ホテルに入った捜査員から連絡が届いた。
《対象者2名、最階の窓際席。今、シャンパンが運ばれました》
第8話 最階の乾杯
1334分、丸の内の層ホテル最階で、健と玲奈は窓際のテーブルを挟んでいた。
健はで着ていたのにジャケットを羽織り、靴のまで落としている。玲奈はシャンパンを注ぎながら、佳奈が本当に戻れないのかとを押した。
「ゲートには鍵を掛けた。ブレーキも振でれるようにしてある。運よく止まっても、も話もない」
「病院には何て言うの?」
「夕方になったら、し目をしたに消えたと騒ぐ。22も理の夫を演じてきたんだ。泣くくらい簡単だ」
玲奈は笑い、グラスを持ちげた。
「座のビルと、しいに」
「鈴設計にも」
グラスが触れう直、4の捜査員がテーブルを囲んだ。先の刑事が警察帳をく。
「鈴健さん、玲奈さん。鈴佳奈さんに対する殺未遂の容疑で、緊急逮捕します」
健はすぐに困惑した夫の顔を作った。妻に景を見せ、み物を買うためにしれただけだと説したが、刑事は林の施錠、切断された記録器、封されていないを順に挙げた。
「それだけで殺未遂になるのか。
広告
妻は自分で何も説できないんだぞ」
「奥様はきています。識も瞭です」
刑事が再した端末から、佳奈の声が流れた。
『夫は子のブレーキを半端に掛け、私を林へ残してりました』
玲奈が子の背へをつき、健は声のどころを見たまま固まった。
同じ刻、鈴設計では緊急取締役会がかれ、健の代表権と社内システムへのアクセスが止された。会社印と法座は保護され、座のビルには処分禁止の続きが入る。Rアセットへ移された資にも仮差押えがかかった。
玲奈のスマートフォンに《お取引を制限しています》という通が届いた。
「どういうこと? おがかせない」
「佳奈にそんなことができるはずがない。誰かが妻を利用しているんだ」
健の端末にも《アクセス権限がありません》と表示された。会社も、産も、座も、妻をへ置きりにした瞬から彼のをれていた。
錠を掛けられた健は、玲奈に騙された、自分も被害者だと叫び始めた。玲奈もまた、計画したのは健で自分は止めようとしただけだと言い返す。
祝杯の席で、2はくも互いを切り捨てていた。
捜査員が健を連しようとした、別の刑事が透な証拠袋をテーブルへ置いた。に入っていたのは、表面にしい具傷のある1本のボルトだった。
「鈴さん、確認したい殺未遂はの件だけではありません」