みかん小説
本棚

"花嫁が僕を犯人にした朝" 第7話

すべてを勝つためではなく、自分が認める責任と、認めない責任を分けるためだった。

その夜、奈緒からいメッセージが届いた。

《母が封筒を持っています。圭介さんのお父さんへ渡したそうです。母は、を見れば私が誤解していると分かると言いました。でも、そのあと融資の類が差し替えられ、私はもう保証にならなくていいと言われました》

続きには、さらに別の事実がかれていた。

《朝倉さんのカードを借りたのは私です。に封筒を縫い込み、作業台の着へ戻しました。あの夜、ドレスを切ったのも私です》

に、こうあった。

《でも私は、まだ圭介さんと婚するか決められません》

奈緒のメッセージは、僕が切っていないことを初めて本確に認める内容だった。崎は提に本を確認するよう勧めたが、翌朝、奈緒自からホテル事部へ同じ文章が送られた。

会社は僕の処分を再検討した。ドレス損傷への関与は完全にされたが、報告義務違反と社員カード管理の備は残る。止は縮され、格と倉庫配置は維持された。

澄はった。

「カードを盗られたのに、管理備って何?」

「ポケットから取られたことに気づかず、戻されたあとも報告できなかった。会社としては、何も責任なしにはできないんだとう」

広告

「お兄ちゃん、納得してるふりをしてない?」

僕は以なら、会社がし譲ったのだから分だと言っただろう。だが今回は、処分を受け入れることと、妥当だとうことを分けた。

との協議で、カード管理については個だけの問題ではなく、内に着や私物を全に保管する設備がなかった点も確認された。会社は鍵付きロッカーを増設し、格期に限定することでした。自宅待の賃も全額支払われることになった。

僕は英雄にはならなかった。社内の噂がすぐ消えたわけでもない。それでも、自分が切ったという嘘ので働き続けずに済んだ。

奈緒は式から、堀緒に僕へ会いに来た。所は崎の事務所だった。彼女は指輪をつけていたが、圭介とは別居しているという。

「本当に申し訳ありませんでした」

奈緒はったままげた。

僕は謝罪を受け入れるとも、許すとも言わなかった。まず、なぜ支度で僕を指さしたのか尋ねた。

「母に、昨夜ドレスのくで誰かを見なかったかと聞かれました。私が黙っていたら、圭介さんのお父さんが、朝倉さんは以も問題を起こしただと言いました」

「それで、僕なら疑われても仕方ないとったんですか」

度だけ、が欲しかったんです。式を終えてから訂正すれば、会社を辞めるほどにはならないとっていました」

広告

「僕の仕事を、あなたがを買うための代にしたんですね」

奈緒の肩が震えた。

を挟もうとしたが、奈緒は止めた。

「はい。その通りです」

僕は、その返事を聞いてしだけ息がしやすくなった。泣いて否定されるより、何をしたか認めてもらう方がよかった。

奈緒はの融資類について説した。圭介の父は、しい歯科医院を設するため、奈緒を形式の理事にし、彼女の母が持つ舗物件も追加担保へ入れる案をめていた。圭介は詳細を父へ任せ、奈緒には「族になるための続き」としか話していなかった。

違法な文が作られたわけではない。最終には本の署名と説確認が必で、奈緒はまだ署名していなかった。だからこそ、側は「誤解」「事の相談」にすぎないと主張できた。

「圭介さんはっていたんですか」

「保証の話はらなかったと言っています。でも、私が何度聞いても父親に確認しなかった。式のあと、私が封筒のことを話したら、まず『父の顔を潰すな』と言いました」

圭介が全てを企てた悪なら、奈緒も決断しやすかったのだろう。彼は父に逆らえず、妻のさく扱い、問題が起きるとの秩序を選んだ。常では優しくても、切な面で奈緒の側にてないだった。

婚を決められないことと、僕へしたことは別です」

「分かっています」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: